1000万円超のサラリーマンはほんの一握り
では、一般サラリーマンの給料の実態はどうなっているだろうか。
東京商工リサーチの「上場企業1803社の平均年間給与」調査(2020年3月期決算)によると、平均年間給与は630万5000円で、前年同期比では1万5000円、0.2%のアップにとどまっている。2012年3月期以降、9年連続で上昇したが、伸び率は鈍化した。平均給与1000万円以上は33社で全体の1.83%。500万円未満は286社で全体の15.86%。中央値は614万円だった。
年収630万5000円と1億円の格差は15.9倍。最高報酬の24億7400万円との格差は何と392倍もある。
「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」により、1億円以上の役員報酬の開示が義務付けられたのは2010年3月期からだ。当時の報道を振り返ってみると、1億円以上の報酬を得ていた役員は287人、最高報酬はカルロス・ゴーン日産自動車社長(当時)の8億9100万円(基本報酬)となっている。1.5億円未満が全体の62%で、2億円以上は16%だった。2020年3月期の530人、最高額22億円超と比べれば、まだ控えめに見えてくる。
一方で、サラリーマンの平均給与は2011年3月期の578万2000円から、2020年3月期の630万5000円に上昇。1.09倍となった。もっとも、これはあくまで上場企業の話。日本企業の圧倒的多数を占める中小・零細企業を含めると給与水準はがくんと下がる。
国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者(5026万人)の平均年収は440万7000円(男性545万円、女性293万1000円)という水準になってしまう。
一般サラリーマンの年収は、リーマンショック直前の2008(平成20)年の430万円と比べ1.03倍でしかない。上昇幅は微々たるものである。