『ハズキルーペ』のCMには、不倫が報じられた渡辺謙が起用された。ハズキカンパニーの松村謙三会長兼CEOは週刊文春の取材に渡辺のギャラが2億円であることを明かしており、決して安くはないものの、「新聞も企画書も小さ過ぎて読めない!」と絶叫する迫真の演技が話題となった。
「代表の権限が強く、思い切ったことをやるハズキカンパニーだからこそ渡辺さんは起用できたと思います。他の会社であれば不倫が報じられた芸能人はなかなか手を出さない。その点、松村会長兼CEOは賭けに勝ったと言えるのではないでしょうか」(前出・プランナー)
現在、広告業界では「身体検査」は非常に厳格になっているという。コロナで広告費を削減する動きもある中、炎上しそうな芸能人を極力起用しない流れができている。最近では不祥事に加え、「政治的思想」もチェックリストに入ってきている。
国際政治学者の三浦瑠麗氏がアマゾンプライムのCMに出演したところ、彼女の思想に反対する勢力がツイッターで「#Amazonプライム解約運動」のハッシュタグをつけて抗議の意思を示した。その後、YouTubeでは同動画が見られなくなった。
「これ以降、広告業界では『身体検査』について『政治的発言もチェックすべきでは』という声が出ています。右派・左派両方から叩かれやすい人がリストアップがされるケースもあります」(前出・プランナー)
不祥事どころか政治的思想まで考慮しなくてはいけないのが広告というものらしい。今や、何がきっかけとなって炎上するかわからないもの。起用する側も慎重にならざるをえないのかもしれない。