昨年、テレビ局全体の広告収入は前年から511億円減って1兆8612億円。それに対しインターネットの広告費は3459億円も増えて2兆1048億円に達し、ついにネットがテレビを抜いた。広告主にとっての主戦場は、もはやテレビではないのだ。俳優たちは、このしわ寄せをもろに受けている。
「来期からのドラマ制作費は“これまでの半分”という大ナタを振るう局が出てきた。フジの月9は1話当たり制作費5000万円から2500万円に減ったそうです。当然、俳優のギャラもそれに合わせて大幅に調整されることになります」(テレビ局関係者)
かつての芸能界は、「都心に住む一部の選ばれた者だけが華やかな生活を送る」という、特別な世界だった。だが、YouTubeの登場によって状況は一変。日本中どこにいる誰しもが“スター”になるチャンスがある。時流に合わせて、どんどん旬な“有名人”が登場し、短い賞味期限が切れた有名人は次々に退場を余儀なくされる。
「以前なら、歌手は一曲大ヒットを飛ばす、俳優はドラマや映画で大ヒット作を生む。そうすれば、その後もずっと“スター”と呼ばれる存在でいられました。生活のレベルを下げたくなくて苦労した人もいましたが、それでもある程度の水準を保てた。ところがいま、ライバルは次々に出てきて、流行り廃りのサイクルが激しくなり、“芸能人”が明日は芸能界にいないかもしれないという非常に不安定な職業になってしまった」(テレビ局OB)
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※女性セブン2020年10月15日号