この記事のタイトルは、『一時間かけてブラジャーを試着したら、黄泉の国から戦士たちが戻ってきた』。あるブランドのブラジャーを試着したら、おっぱいがすごく大きくなった、という内容だ。以下、一部著書から抜粋する。
《次の瞬間。
私の胸に、メロンがあった。
石原裕次郎のお見舞いのときみたいな。でっけぇ、でっけぇメロンがあった。
(中略)
「お客様のお胸のお肉は、全部、お腹と背中に逃げていたんですよ。ストラップもゆるゆるで、サイズの合っていないブラを付けられていたんですね」
私の乳は、どうやら、集団疎開していたようです。
いつの間に……?
開戦した覚えもないのに……?》
何ともユーモアたっぷりで、思わずクスっと笑ってしまう。女性ならついクリックしてしまうタイトルだろうし、読み進めていくほどに情景が浮かび、ページをめくる手が止まらなくなる。話題が話題を呼び、記事は異例の120万PVを突破した。
「話題になったことで、noteからイベントに登壇して欲しいというオファーを頂きました。人前で喋るからには、その日までにもう1つくらい面白い記事を書きたいと思い、次に書いたのが弟の記事です。せっかく書くなら自分の一番感情が動いた時のエピソードをと思い、ぱっと浮かんだのが弟が万引きしたかもしれないという話でした」
この時に書いた記事『弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった』も、前回に続き80万PVを越える大ヒットを記録。糸井重里さんや前澤友作さんなど著名人にも引用ツイートされたことで、さらに話題を呼んだ。
「『ほぼ日』で連載を書かせて頂いたり、前澤さんにお会いした時の記事をnoteで書かせて頂いたりしながら、今私が所属しているコルクの佐渡島庸平さんにもお声がけ頂いたことで、一気に活動の幅が広がりました。noteには、読み手が書き手を応援できる“投げ銭”機能があるのですが、これで2か月くらいは生活をしのげるのと、有料定期購読の配信も始める準備が出来たので、今回の書籍化のお話を頂いたのをきっかけに、会社員を辞めて作家になる決意をしました」