ビジネス

ビックvsヨドバシ 「駅前カメラ系」コロナ後の販売戦略に差

ビックカメラ(千葉・柏店)

ビックカメラ(千葉・柏店)

 コロナ禍の定額給付金が冷え込んだ消費を促し、エアコンやテレビ、冷蔵庫など大型家電の売り上げが好調だった家電量販店。だが、足元の業績を見ると安泰とは決して言い難い。ジャーナリストの有森隆氏が、カメラ系家電量販店の2強「ビックカメラvsヨドバシカメラ」の現状と今後についてレポートする。

 * * *
 消費税増税、新型コロナウイルスが急激に消費を冷え込ませたが、家電量販店業界には、時ならぬ神風が吹いた。1人あたり10万円を支給する特別定額給付金である。外出自粛の反動による“リベンジ消費”がこれに加わり、大型テレビやルームエアコン、冷蔵庫、洗濯機などが爆発的に売れた。

 テレビは50型以上の薄型テレビ、洗濯機は容量が「8kg以上」の大型機種に人気が集中。夏物商戦の主役は家電量販店の大型家電だった。

 新型コロナは消費の構図を一変させたといっていい。都市部では駅近くから郊外型のロードサイド店舗が顧客を吸引し、大繁盛店になった。駅近神話の崩壊である。まさに劇的な変わりようだった。

 理由は、新型コロナの感染拡大を受けた在宅勤務の増加だ。自宅に近い郊外店で、ビジネスユースのパソコンが売れに売れたのだ。テレワークのネット会議で見映えよくするために、顔をライトアップする照明器具が隠れたヒット商品になったほどだ。

 家電量販店の出自は二つに大別される。一つは郊外の幹線道路沿いに展開する郊外型量販店。郊外型量販店は売上高で業界トップのヤマダ電機、3位のエディオン、4位のケーズデンキ(ケーズホールディングス)が代表選手だ。

 もう一つは主要駅(ターミナル駅)前に巨艦店をドンと構える店。カメラ店が発祥であることから“駅前カメラ系”と呼ばれ、売上高8940億円のビックカメラと同6931億円のヨドバシカメラが双璧である。ここでは経営戦略が大きく異なるこの2社にスポットライトを当てることにする。

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト