国内

自由すぎる学校「麻布」卒業生 鴨川に大病院建てた破天荒医師

麻布高校の学園紛争時代に体験した“遊び”などの思い出を語ってくれた亀田氏

 東京都港区にある麻布中学校・高等学校は、東大合格者数トップ10常連校ながら底抜けに自由な校風で知られる。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、近著『麻布という不治の病』で、幅広い業界で異色の活躍を見せる卒業生9人へのインタビューをもとに、自らの母校の時代ごとの校風を活写した。その一部を抜粋し、麻布の自由な校風がどんな個性を育んだのかを見ていく。亀田総合病院理事長の亀田隆明さん(68)は、学園紛争まっただ中の時代に青春を送った。

 * * *

新型コロナウイルス対策の最前線でパーフェクトゲーム

 東京湾アクアラインを通って房総半島に渡る。そのまま半島を横断すると、太平洋に面する鴨川の海辺に唐突に、巨大なリゾート施設のような建物群が見えてくる。日本で最初に電子カルテシステムを導入するなど先進的な医療施設としてメディアでもたびたび取り上げられる亀田メディカルセンターである。

 2020年1月、中国・武漢から政府チャーター機第1便で帰国した乗客のうち191人を勝浦ホテル三日月が受け入れた。亀田総合病院はそこに万全の医療体制を提供した。理事長の亀田隆明さんが当時を語る。

「感染症専門のドクターとナースを24時間張り付けました。発症した3人の陽性者はここに入院し、全員快復しました。その後クルーズ船からも何人か受け入れましたが全員快復しています。1人だけ呼吸器を付けざるを得ない感染者が遠くから移送されてきましたが、これもここで快復しました。振り返っても、ここまではパーフェクトゲームだったと思います」

 インタビューを行ったのは緊急事態宣言が解除されたばかりの6月の初旬だった。その時点で次のようにも宣言していた。

「東京の京橋にもサテライトクリニックがありますが、あそこは東京駅にも羽田にも成田にも近い。まさに今日から、京橋で誰でもPCR検査と抗体検査が受けられるようにします。いま世界中が鎖国みたいな状況になっているでしょう。このままでは世界経済が立ちゆかないから、感染を広げないように注意しながら国を再び開いていかなければいけない。すでに一部の国では入国に際してPCR検査陰性の証明書を求めています。中国も韓国もこれからきっとそうなります。つまり経済活動を再開する戦略の一つとして、銀座のど真ん中でいつでも検査できるようにするのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト