騒動は行列だけでは済まなかった。あまりの人気過熱で購入できなかった市民が続出したのである。先の男性がこう語る。
「行列を見かけた翌日、送迎中に再び郵便局前を通りかかったところ、職員が立っているだけで行列がなかったんです。
それで帰りに、車を止めて職員の方に話を聞いたところ、『この販売所での予定販売数は昨日売り切れてしまいました。今日から抽選に変わりましたので、三鷹郵便局に行っていただければ抽選券を入手できます』とのことでした。販売方法がおかしくないかと言ったら、職員の方も頷いていましたね」
結局、初日に用意していた5万冊(1冊5000円)はすぐに完売。発売初日に購入できなかった人が多数出て、中には市役所まで抗議に訪れる人も相次いだという。そして、今度は抽選券を求める人が殺到。三鷹郵便局の周辺には10月2日だけでなく、3日も長い行列ができ、3日は9000人超の人々が並んだと報じられた。
市長がツイッター、市のHPで異例の「お詫び」
この騒動を受け、河村孝・三鷹市長は10月2日の段階でツイッターに異例のお詫びを投稿した。
〈この度のプレミアム付き商品券の発売に際しましては、ご期待くださっていた市民の皆様に大変ご迷惑をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます。これまでの商品券の経験をもとに対応を準備していましたが、多くのメディアに取り上げていただいたことによる反響は予想を大きく上回るものでした〉
〈この想定不足により、市民の皆様、そして販売にご協力いただいた郵便局や関係機関の方々にも多大なご迷惑をおかけし、職員にも過大な負担をかけてしまいました。これは長である私の不徳の致すところです〉
とまあ、ひたすら低姿勢なのである。後日市のHPにも市長のお詫びが掲載された。
改めて市役所に経緯を問い合わせてみたが、「いまは市民の方への対応に集中していますので、詳しいことは回答を控えさせていただいています。(市の見解は)市長のコメントを見ていただければと思います」と言葉少なだった。担当職員の方も疲労困憊のようだ。いまのところ追加発行については「白紙」だという。