ビジネス

プレミアム付き商品券に9000人超の大行列 東京三鷹市の顛末

商品券を購入できなかった市民への対応に追われる三鷹市役所

三鷹市役所

 コロナ禍の経済対策の一環として「プレミアム付き商品券」の発売が全国各地の自治体で実施されているが、思わぬ騒動を招いているケースが続出している。10月1日に発売した東京都三鷹市では、発売当日に長蛇の列ができて、予定数がすぐに販売終了。購入できなかった市民から不満の声が相次いでる。いったい、どこに問題があったのか。ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。

 * * *
 10月1日朝、三鷹市内の各所で異様な光景が見られた。娘を最寄りの駅に送っていた男性がこう証言する。

「朝7時40分ごろ、近くの郵便局の前を通りかかったら、物凄い行列ができていました。数百メートルはありましたね。何事かと思って見ると、先頭で職員が整理券らきしものを配っていました。

 娘に『アイドルかなにかのチケット販売かなぁ』と話しかけたのですが、『並んでいるのお年寄りがほとんどよ。それに郵便局でこんな朝から販売するわけないじゃない』と一蹴されました。駅からの帰り道、違うルートを通ると、別の郵便局でも長い行列ができていて、職員に詰め寄っている人もいました。明らかに密の状態でした」

「プレミアム率50%」に朝5時から並んだ市民も

 行列の目的は三鷹市の「プレミアム付商品券」だった。この商品券、プレミアム率が都内最高の50%という超お得券で、市が事前に発行した「広報みたか」でも〈1人最大3万円の商品券で4万5000円分のお買い物!〉と大々的にPRしていた。

三鷹市の広報誌でもプレミアム付き商品券を大々的にPRしていた

三鷹市の広報誌でもプレミアム付き商品券を大々的にPR

 発行総額は15億円で、デジタル商品券(10億5000万円)と紙商品券(4億5000万円)の2種類。1人当たりの購入限度額は3万円。家族の分を含めて1人で3人分まで購入可能となっていた。

 デジタル商品券はネット販売だが、紙商品券は窓口販売だった。大勢の市民が並んだのは紙商品券の購入のためだったのである。市内20か所の郵便局などの販売所で同じような光景が見られたことになる。朝5時過ぎから並んでいた人もいたという。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン