『恋する母たち』の原作者、柴門さん
柴門:私はハリウッド伝説のプレーボーイ、ウォーレン・ベイティや、斎藤工くんを見て、ときめきを感じてます(笑い)。私にとっての恋です。
大石:あー残念。もうちょっとリアルな男性の話を聞きたかったわ(笑い)。
柴門:私は素敵な男性を眺めるだけで恋のスイッチが入るタイプです(笑い)。不倫なんて私には関係ないと思っている主婦だって、韓流スターやスケートの羽生結弦選手を見てときめいているはず。その気持ちの根底にあるものはエロスですよ。
大石:私は、相手の肌に触れられないとつまんないです(笑い)。いまはさておき、イケメンの画像を眺めているだけだと、すぐに飽きちゃう。
柴門:それっていつ頃のお話?
大石:もう結婚して長いですけど、夫も外で恋愛してたし、私も夫以外の人と恋愛して当然だって感じの時期はありました。お互いに相手がいることも知っていました。
柴門:ええ! それはなぜわかったんですか?
大石:はっきり言葉にしなくても、お互いに相手がいることは感じます。私が「今日は打ち合わせで遅くなる」と言うと、夫から「明日ちゃんと帰ってくればいいから」と言われて。よくわかってるじゃない、みたいなこともありました。そうなってくると不思議なもので、夫が女性と旅行に出かけても、何日後かに家に戻ってくればいいや、って思うようになり、今日まで仲よくやってきました。
柴門:嫉妬はしなかったんですか?
大石:しなかったですね。そういう意味では、私たち夫婦の結婚は、エロスと関係なかったのかもしれない。
柴門:優子とシゲオ夫婦のような関係なんでしょうか。
大石:そうかもしれません。でもね、シゲオは嫉妬するけど、夫は嫉妬しなかった。若い頃の夫はそこそこモテてましたし、私も、誰からも相手にされない夫よりはいいかな、と思ってました。
【プロフィール】
柴門ふみ(さいもん・ふみ)/1957年生まれ。漫画家。1979年『クモ男フンばる!』でデビュー。代表作に『同・級・生』『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』(いずれも小学館)などがあり、ドラマ化された作品も多数。『老いては夫を従え』(小学館)などエッセイにも多くのファンがいる。
大石静(おおいし・しずか)/1951年生まれ。脚本家。1986年に『水曜日の恋人たち 見合いの傾向と対策』で脚本家デビュー。以降、『ふたりっ子』『セカンドバージン』(いずれもNHK)、『家売るオンナ』(日本テレビ系)、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)など数多くの脚本を執筆し名ドラマを送り出す。
撮影/平林直己
※女性セブン2020年11月5・12日号