芸能

『恋する母たち』対談 脚本大石静が明かす奇妙な夫婦関係

ドラマ『恋する母たち』の脚本を担当した大石さん

 柴門ふみさんの『女性セブン』の連載マンガ『恋する母たち』が、恋愛ドラマの名手・大石静さんの脚本によりドラマ化(TBS系、毎週金曜22時~)。石渡杏(木村佳乃)、林優子(吉田羊)、蒲原まり(仲里依紗)という3人の母を中心に、「夫との関係」「子育てと子離れ」などを描くこの作品について、柴門さんと大石さんが対談した。まずは、原作を読んだ大石さんは、どの男性がいちばん気になったのかを聞いた。

大石:それはもう、落語家の丸太郎(ドラマ版では阿部サダヲが演じる)。色っぽいです(笑い)。でも漫画を読む限りは、丸太郎の本心がわからない。まりと一発ヤリたいだけなのか、それ以上の気持ちがあるのかが原作からはなかなか読み取れなくて。ドラマでも、1回セックスしたいだけの男という設定からスタートします。

柴門:もともと原作でも当初は、丸太郎はプレーボーイの落語家で、“一発ヤリ太郎”だったんです(笑い)。でも、まりが丸太郎とのセックスを拒否する。それを丸太郎が受け入れたあたりから私の中でもいい男になり始めて……。そのくらい、まりに魅力があったということだと思っています。

大石:丸太郎は“みんな僕が引き受けるよ”ってまりに言いますが、あぁ、一度は男にそんなふうに言われてみたい(笑い)。阿部サダヲさんが演じる丸太郎がまた色っぽいんです。

柴門:早く見たい! ドラマの宣伝番組を見ていて、赤坂(磯村勇斗)もすごくかっこいいと思いました。磯村くんがハマり役ですね。あんなエロい顔ができるんだって。

大石:生意気な感じがよく出てます。

柴門:でも丸太郎みたいな男って、現実にいないですよ。赤坂みたいな男もいない。いるとすれば、杏と子供を置いて駆け落ちする慎吾(渋川清彦)や、まりにバレバレの不倫旅行をする繁樹(玉置玲央)みたいな男。

大石:そうそう、慎吾みたいな甘えた男っていっぱいいますよね(笑い)。繁樹は書いていて、いちばんリアリティーのある男だと思いました。エリート弁護士で収入もよくて傲慢で、外では平気な顔をして部下と遊んでるっていう。

柴門:いますね、妻に全部丸投げで威張ってる繁樹みたいな男(笑い)。

「どんな立場でも恋への欲求は人間の中にある」(大石)

大石:境遇も性格も違う3人のアラフォーの母たちが恋をするように、誰かを好きになりたいという想いは、どんな立場にあろうとも人間の中にふつふつとあると思うんです。母でも妻でも独身でも年をとっても、恋愛への欲求がない人はいないはず。

柴門:私たち、男性の好みは合わないと思うけど(笑い)、その点は共通してますよね。やっぱり女性には“エロスの塊”があって、子育て中は忘れてるけど何かのきっかけで“恋のスイッチ”が入ると思い出す。まりだって、丸太郎のキスでエロスがよみがえってしまった。実際に体の関係を持つだけが恋じゃないんです。

大石:そう思う。柴門さんご自身も、最近はエロスを忘れているかもしれないと感じます? そのときはどうやって思い出すのかしら?

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン