2018年5月の「全国赤十字大会」(東京・渋谷区)で、雅子さまは15年ぶりに出席を果たされた(「日本赤十字社」提供)
「両陛下が新型コロナに関するご進講を受けられる姿が度々報じられるなど、コロナの感染が拡大して以降、発信の場も少しずつ増えています。ですが、それらはおふたりが静かに話を聞かれるにとどまり、肉声が聞かれるものはありません。お立場上、急にオンライン利用を増やすのが難しいことはわかりますが……」(皇室ジャーナリスト)
秋篠宮妃紀子さまは20日、ウェブ開催された「肺の健康世界会議」の開会式に参列され、結核予防会総裁としてお言葉を述べられた。秋篠宮家の次女の佳子さまは10日に「国際ガールズメッセ」に動画を通じて参加されるなど、積極的にオンラインをご活用されている。そうした秋篠宮家の活動と比べると両陛下の発信は確かに控えめだ。
「両陛下は、オンラインの活用に消極的というわけではないようです。8月には水の防災についての国際会議をオンラインで聴講されるなど、その活用の場を広げています。
そもそも、これまでご進講で説明にあたった専門家の話が表に出てくることはありませんでした。それが、新型コロナの拡大で両陛下の外出がままならなくなってからは、そこでの会話が詳らかにされ、報じられるようになった。両陛下も新しい発信方法を模索されていることがうかがえます」(前出・宮内庁関係者)
両陛下は10月1日、赤坂御所で「コロナ禍の教育現場」に関するご進講を受けられた。そこで陛下は「コロナを経て見えてきたことをチャンスに変える発想の転換も必要です」と述べられた。現状を受けとめ、新しいスタイルを導入していこうという思いが込められているのだろう。
両陛下は常に国民とともにあろうとされ、模索を続けられている。それでも、オンラインの積極的な利用に至らないのはなぜだろうか。
「両陛下はオンラインのご活用に前向きなお気持ちがある一方で、宮内庁は消極的な姿勢を崩していないようです。あくまで “直接会うことが第一”という理由です。いま両陛下がオンラインを活用されると、今後は“いらっしゃらなくても、お言葉だけはリモートでほしい”となりかねません。それに加え宮内庁は、新しいことを行い、批判が生まれることを懸念しているようです」(前出・皇室ジャーナリスト)
何らかの形で自分たちの活動を発信していきたいお気持ちと、お立場ゆえ「沈黙」を貫かざるを得ない状況──そんなジレンマが両陛下を苦しめているのだ。