お相手は「僕にとって厳しくて優しい人」と語った

スタジオ進行の一人は新婚の岡村隆史

 意中の相手に対し、良いところを見せたいのは誰しも同じ。バチェロレッテ出演の男性たちも、少しでも自分を大きく見せようと奮闘する。ただ、福田はそんなことを求めていない。当初、その張り切りがゆえに勘違いをする男性のドタバタっぷり、矛盾を福田に問い詰められた際の慌てふためきを観ては笑っていた。しかし、「これが自分だったらどうなるのだろう?」なんて考え始めれば、気軽に観てはいられない。緊張がゆえ、僕は手をギューっと握っていた。

『バチェロレッテ』は基本的には笑って観られる番組であるが、ただちょっと怖いところがある。その怖さこそが魅力であり、過去に触れてきた恋愛リアリティーショーや『バチェラー』とも違う。

説教をされている姿に当初は爆笑も

 素人が出演するリアリティーショーは、自分と似たキャラを発見し、感情移入しながら観るのが楽しい。今回の参加男性の17人の内、僕が感情移入してしまったのが藤井達也である。「1000人切り」のイベントオーガナイザー、藤井と僕では経験人数に天と地の差があるが、エピソード1の顔見せパーティーの時点ですでに自分を重ねていた。

 入れ替わり立ち代わり、バチェロレッテ・福田と男性がトークする中、やっと藤井のターンが訪れる。そこで藤井は酒好きな福田に「僕は相手に合わせて飲む。お酒が好きってよりも、お酒の力を利用してその場を楽しむ! 家では飲みたいとも思わない」と話しかけた。僕も全く同じ飲み方をしている。

 初対面から2人のテンションは合わない。福田は藤井に「無理しなくていいと思う。すごく気を使い屋さんなのかな……。気を使っている達也さんは私からするとまだ距離がある感じがする」と助言する。核心を突かれた藤井は「オッケイ! ハハハハハッ」と笑う。パーティー後の単独インタビューで藤井は「『バチェラー』史上、初めてじゃないすか! 説教されたんですね、僕」と更に笑う。

 説教をされている藤井を観て、当初は爆笑していた。しかし、僕も女性からよく説教されることに気づき、ハッとする。インタビューで説教をされたことを勝ち誇る態度にシュンとする。これも僕がよくやっている行動じゃないか……。自信がないから道化を演じる、また自身の道化っぷりが案外通用することも理解している。だが時折、我々の態度を見逃してくれない外敵が現れる。そういった人との相性は最悪だ。

 ところが藤井は相性の悪い相手から、運命の人として選ばれるために『バチェレロッテ』に参加している。この歪さをなかったことにするかのように、藤井は福田の助言を勝手に説教と変換し、「怒られた!」と2度も笑う。本心では、自分の素顔を見られたことに若干怒っているはずなのに………。

関連キーワード

関連記事

トピックス

破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン