国際情報

トランプ「GDP過去最大の伸び」にフロリダは騙されるか

選挙のうまさだけならトランプ氏の圧勝(AFP=時事)

 トランプ大統領の猛烈な追い上げで、投票日直前になって大接戦に戻ったアメリカ大統領選挙。が、実は“もう決着はついている”のである。なぜなら、有権者の多くがすでに期日前投票を済ませているからだ。ただし、本当に決着するのはずっと先になる可能性もある。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏が読み解く。

 * * *
 アメリカで選挙に勝つための鉄則は、決して逃げの姿勢を取らないことだ。攻撃は最大の防御であり、攻撃し続け、決してデフェンスに回らないことが肝心だ。トランプ氏は、事実であるかわからないことでも、徹頭徹尾、バイデン氏のスキャンダルであると言い続け、それをバイデン氏の反論の10倍でも20倍でも口にすることで、いつの間にか有権者に「そうなのかも」と思い込ませることに成功している。

 一方で、バイデン=ハリスの連合軍は、勝利の鉄則に従っていない。あれだけ情勢が味方し、もはや勝利は目の前にありながら、攻撃の手を緩めたことでトランプ軍の追撃に遭っている。少なくても世論調査結果ではそうである。

 簡単に言えば油断が生じたのである。バイデン氏は、トランプ氏が激戦州を駆け回っている間、地元に帰って後援者の前でのんびり演説し、あとはメールによるキャンペーンに頼った。筆者の元には、バイデン=ハリス軍から毎日20通を超える、寄付を求めるメールが届く。その数は選挙戦終盤になってますます増えている。ここまできてまだ寄付集めを優先しているのは的外れだ。なかには、「25ドルの寄付は、我々のメール代と思え」としか解釈できない文面もある。なんという言い草か。これでは支持者が盛り上がらない。

 しかし、それでもバイデン氏がまだ有利と言えるのは、すでに期日前投票が8000万票に達し、最終的な投票数は1億5000万票にまで増えると予測されていることだ。つまり、最終盤でトランプ氏が並んだとしても、すでにリードを許している間に有権者は投票を終えてしまったという可能性が高いのだ。世間調査では、期日前投票でのバイデン氏のリードは、有権者全体のリードより大きいとされている。

 ところで、いよいよ各州の情勢が固まりつつあるなか、筆者が一番注目するのはフロリダ州の戦いである。激戦州のなかでも最も選挙人の数が多い(したがって大統領選挙の結果に影響が大きい)フロリダで、もしトランプ氏が負けることがあれば、そこでゲームセットである。トランプ氏には、まだ逆転勝利の可能性が残されているものの、それは激戦州のほとんどを制した場合である。その最大の戦いであるフロリダを落とせば万事休すだ。

関連記事

トピックス

妻とは2015年に結婚した国分太一
《セクハラに該当する行為》TOKIO・国分太一、元テレビ局員の年下妻への“裏切り”「調子に乗るなと言ってくれる」存在
NEWSポストセブン
闇バイトにはさまざまなリスクが…(写真/ゲッティイメージズ)
《警察の仮想身分捜査導入》SNSで闇バイトの求人が減少する一方で増える”怪しげな投稿” 「闇バイト」ではないキーワードが浮上
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
ブラジル訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《クッキーにケーキ、ゼリー菓子を…》佳子さま、ブラジル国内線のエコノミー席に居合わせた乗客が明かした機内での様子
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《TOKIO・国分太一が無期限活動休止》「演者とスタッフは“独特の距離感”だった」関係者が明かす『鉄腕DASH』現場の“特殊な事情”
NEWSポストセブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《スタッフに写真おねだりか》TOKIO・国分太一は「コンプライアンス上の問題行為が複数あった」…日本テレビに問い合わせた結果
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
インドのナレンドラ・モディ首相とヨグマタ・相川圭子氏(2023年の国際ヨガデー)
ヨグマタ・相川圭子氏、ニューヨーク国連本部で「国際ヨガデー」に参加 4月のNY国連協会映画祭では高校銃乱射事件の生存者へ“愛の祝福”も
NEWSポストセブン