スポーツ

巨人4連敗の悲劇を生んだ原監督の“王者の戦い方”

日本シリーズ4連敗の悲劇はなぜ起こったのか(原辰徳監督=中央。時事通信フォト)

日本シリーズ4連敗の悲劇はなぜ起こったのか(原辰徳監督=中央。時事通信フォト)

 自らを“弱者”と認める潔さがシリーズ前に必要だったのかもしれない。2020年の日本シリーズはソフトバンクが4連勝で巨人を下し、4年連続の日本一に輝いた。開幕前からソフトバンクが圧倒的有利との見方が大勢を占めていたシリーズの合計スコアは26対4。巨人は初戦から1点、2点、0点、1点と、1試合で3点を奪うことすらできなかった。野球担当記者が話す。

「巨人は“王者の戦い方”をしてしまった印象です。昨年も4連敗しているし、戦力分析をすればソフトバンクに分があると、原辰徳監督を始めとした首脳陣はわかっていたはず。それなのに、相手に有利な指名打者(DH)制に賛同し、予告先発も採用した。仮に巨人とソフトバンクの力が五分五分なら、そんな戦い方でもいいでしょう。

 巨人はリーグ戦で10月、11月と負け越していたし、怪我で離脱していたセットアッパーの中川皓太、ベテランの亀井善行もシリーズにギリギリ間に合った状態で、万全とは言い難く、チーム状態は良くなかった。一方のソフトバンクは終盤に12連勝して優勝を決め、クライマックスシリーズでも連勝でロッテを撃破して勢いに乗っていた。正攻法で戦えば、負けることは目に見えていたはずです」(以下同)

 巨人は第1戦のエース・菅野智之だけでなく、2戦から4戦までの先発投手も早い段階で判明し、実際に報道通りのローテーションだった。

「セ・リーグでは自分たちの野球をすれば勝てるが、ソフトバンクには奇襲を仕掛けないと歯が立たない。せめて、予告先発を辞めて相手を撹乱させるべきだったのではないでしょうか。菅野以外の先発が頼りないのだから、1試合はリリーフ陣だけで賄う試合などがあっても良かった。原監督にはマスコミさえ騙す策士ぶりを見せてほしかった。今シリーズの結果を見れば、ソフトバンクと巨人は横綱と前頭くらいの差があった。それなのに、原監督はセ・リーグ2連覇の王者の余裕からか、横綱相撲を取ろうとしてしまった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
政治学者の君塚直隆氏(本人提供)
政治学者・君塚直隆氏が考える皇位継承問題「北欧のような“国民の強い希望”があれば小室圭さん騒動は起きなかった」 欧州ではすでに当たり前の“絶対的長子相続制”
週刊ポスト
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』主演の中井貴一と小泉今日子
今春最大の話題作『最後から二番目の恋』最終話で見届けたい3つの着地点 “続・続・続編”の可能性は? 
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一
《どうなる“新宿DASH”》「春先から見かけない」「撮影の頻度が激減して…」国分太一の名物コーナーのロケ現場に起きていた“異変”【鉄腕DASHを降板】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン