国内

高齢者施設、銭湯、温泉街…感染対策で封鎖の可能性はあるか

温泉旅館や銭湯も(写真/Getty Images)

温泉旅館や銭湯も?(写真/Getty Images)

 新型コロナウイルスの感染が、急速に再拡大している。11月28日には全国で過去最多の2685人の感染者が確認。感染再拡大が早かった北海道や、11月29日に5日連続で感染者数が300人を超えた大阪府は、政府の分科会が示す4段階のなかで最も深刻な「ステージ4」(爆発的な感染拡大)が目前に迫っている。

 世界に目を向ければ、再びロックダウンが実施されたり、飲食店の営業が制限されたりしている状況だ。ドイツは部分的なロックダウンを、12月20日まで延長すると発表。カナダ最大の都市・トロントでは、11月23日から飲食店での営業を持ち帰りや宅配に限定し、国民に対して外出を控えて自宅に留まるよう呼び掛けた。イギリスは、11月5日から2度目のロックダウンを決行していた。

「ロックダウンはウイルスの流行が小さいうちに、狭い地域で、短期間やるというのが世界の潮流です。何十人かのクラスターが出たら、その地域に限って、学校や職場、飲食店などを閉鎖し、地域の活動をストップさせる。地域住民全員にPCR検査を行って、陽性者は隔離する。そうすることで感染拡大を防ぎ、ロックダウンの影響も短期間で済みます。

 失敗例といえるのが、イギリスでしょう。専門家がロックダウンの必要性を主張してから6週間も何も手を打たなかったため、結局、2回目の全土ロックダウンに追い込まれてしまった。これは日本の状況と非常によく似ています」(医療ガバナンス研究所所長の上昌広さん)

 日本では法律上のハードルが高く、海外のように全国で一斉にロックダウンはできないが、地域の状況や施設の特性から判断し、感染防止を目的とした“自粛の要請”は行われている。

 第3波以降、10月半ばから感染者が急増し始めた北海道では、11月7日に札幌市の繁華街・すすきので飲食店に営業時間の短縮を要請した。この流れは主要都市部に拡大していった。大阪市では北区と中央区で11月27日から、東京都では23区と多摩地域が同28日から、愛知県の名古屋市でも中区の一部地域で同29日から、いずれも飲食店やカラオケ店などに「営業時間の短縮要請」などが行われている。

 だが、感染者が急増しているにもかかわらず、いまだに対策を講じていない自治体も少なくない。

「主要都市以外に広がらなかったのは理由があります。飲食店や商業施設への営業自粛や時短要請となれば、協力金や補助金が発生します。しかし各自治体は、第1波、第2波の時点で財源を使い切っていて、すでに財政状況が非常に厳しい。政府が補償に後ろ向きなのも明らかです。

 ただ、これから迎える年末年始は、そもそも“休み”との考えから、“協力金が発生しない”という言い訳が成立する。“日本流の自粛要請”を実行するには、絶好のタイミングと言えます」(経済ジャーナリスト)

4月の休業要請ではセーフだった施設も

 では、今後どの地域で自粛要請が行われる可能性があるのだろうか。

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン