一つのテーマをレストランの「皿」に見立てた24のエッセイは、もちろん三浦節全開。小説家の頭の中を覗いているかのような面白さがある。その意味で本書は「書くこと」だけではなく、「小説を読むこと」の楽しさを伝えてくれる一冊でもあるだろう。
「自分ができていない指摘も多いのですが」と笑ってから、三浦さんは言った。
「ただ、自分はどう書いてきただろうと思い返しながら、『こうしたらいいんじゃないか』と書いていると、こんなふうに思いました。やっぱり私は小説について考えるのが好きなんだな、って」
取材・構成/稲泉連 撮影/田中麻以
※女性セブン2020年12月17日号