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広岡達朗氏が巨人に喝!「原はド素人。元木なんて芸能人」

巨人V9の礎を築いた広岡達朗氏には今の巨人がどう映るのか…(時事通信フォト)

巨人V9の礎を築いた広岡達朗氏には今の巨人がどう映るのか…(時事通信フォト)

 2年連続で日本シリーズ4連敗という屈辱を受けた巨人。一体どこに問題があったのか──。野球評論家の広岡達朗氏(88)は1954年に巨人に入団した。当時、一塁手だった川上哲治と巨人の黄金時代を作り、川上監督下ではコーチ兼遊撃手として1965年から始まる巨人V9の礎を築いた。監督としては、万年Bクラスだったヤクルトや西武を常勝球団に育て上げている。そんな往年の名監督の目に、原辰徳監督やコーチ陣の姿勢はどう映るのか。

 * * *
 日本一奪回のために補強するというが、あれで選手が足りないというんだから、開いた口が塞がらない。本来、選手は“取ってくる”ではなく、“育てる”もの。現にソフトバンクは育成枠から中心選手が育っている。「いい選手を取ってくる」という発想では一生勝てないでしょう。同じリーグの主力を奪うのだから、リーグ優勝できるのは当たり前。しかし、毎年のように大物が入ってくれば、若手には夢も希望もなくなり、伸びる者も伸びなくなる。原はそのことを自覚しているのか。

 日本シリーズのような短期決戦は監督の采配に左右される。敗戦の責任は原にあるが、どういう戦略で戦うのかもはっきりしなかった。私は「短期決戦では相手の大将を潰したほうが勝ち」と監督時代から言ってきた。大将を潰せばチーム全体が沈むからだが、原は双方の大将が誰かということすらわかっていない。わかっていたら岡本(和真)を4番には据えません。

 今年のソフトバンクの大将は甲斐(拓也)だった。「キャッチャーを気分よくさせるな」が野球の鉄則。本塁打まで打たせて調子に乗らせたために、甲斐はどんどんインコースを攻めて巨人打線を封じた。第一戦で岡本が千賀(滉大)にバットを折られた時点で勝負は決まったようなもの。

 V9巨人は攻撃型と思われているが、カワさん(川上監督)は守りを非常に重視していた。打撃優先でキャッチャーを選んだ巨人が負けるのは当然です。V9メンバーから見れば原はド素人もいいところ。原は野手出身だから、本来なら専門でない部分を補うためにヘッドコーチに投手や捕手出身者を置くべきです。ところが野手出身の元木大介に任せているところがすべてを物語っている。元木なんて芸能人だよ。

 元オーナーの正力松太郎さんは、選手権(日本シリーズ)で勝って初めて日本テレビの迎賓館でナインに「よくやった」と声を掛けた。リーグ優勝は当たり前、選手権で負けたら監督はクビだった。責任を取って首脳陣は総辞職すべきです。

※週刊ポスト2020年12月18日号

広岡達朗氏

広岡達朗氏が喝を入れた(写真/共同通信社)

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