ライフ

運転やめた高齢者 要介護になるリスク約8倍上昇の調査結果

運転をやめると要介護リスクが上がる

運転をやめると要介護リスクが上がる

 高齢者による交通事故が相次ぐなか、「免許返納」がクローズアップされている。しかし、自主返納をした75歳以上ドライバーは4.9%に留まっている(2018年警察庁運転免許統計)。

 老親が大きな事故を起こす前に、免許返納の見極めや家族の説得などが必要になってくるが、返納後のリスクにも備えておきたい。

 国立長寿医療研究センターの調査では、運転をやめた高齢者は運転を継続した高齢者に比べ、要介護状態になるリスクが約8倍上昇した(別掲図参照)。脳神経外科医の朴啓彰氏(高知検診クリニック脳ドックセンター長・高知工科大学客員教授)が指摘する。

「それまで車の運転で使っていた脳内のネットワークを急に使わなくなると、脳が萎縮して白質病変が増加し、認知症などのリスクが増します。運転ができないことで、鬱になる高齢者も少なくない」

 そこで大切なのが「社会との接点」だ。

「人間は社会とのつながりを失うと脳が退化します。老後に役職を3つ以上持つと健康寿命が長くなるとの調査もあり、高齢の親は町内会や老人クラブ、マンションの管理組合などでもいいので、何らかの役割を持ってもらうようにできるといい」(前出・朴氏)

 返納後、運転経歴証明書を提示すると、タクシーやバスの割引券など様々な特典がもらえる。これらを賢く利用することもひとつの手だ。

「バスなどで外出する回数が増えれば、近所の人々との触れ合いが増します。それによって、町内会やスポーツクラブなど地域の交流の場に顔を出す機会が増えるかもしれません」(九州大学大学院教授の志堂寺和則氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン