スポーツ

ノムさん 1年目の宮本慎也への言葉「脇役の一流になれ」

宮本慎也氏が恩師である野村克也さんとの思い出を振り返る

宮本慎也氏が恩師である野村克也さんとの思い出を振り返る

 現役時代に輝かしい成績を残し、南海時代には選手兼監督としても活躍した故・野村克也さんは、現役引退から10年後の1990年、ヤクルトスワローズ監督に就任した。万年Bクラスだったヤクルトを3度の日本一へ導いた手腕は、今も高く評価されている。当時その薫陶を受けた宮本慎也氏が、最も印象に残っている野村監督の言葉を振り返った。

 * * *
 野村監督の言葉で最も印象に残っているのは、入団1年目のユマキャンプのミーティングでの「脇役の一流になれ」という言葉です。

「ドラマは脇役がいるから主役が引き立つ。脇役なしでは成立しない。野球は筋書きのないドラマというが、野球も脇役がいないと成立しない」と。自分がプロで目指すべき方向を示してくれた一言でした。

 当時のヤクルトは、野村監督についていけば間違いない、勝てるというムードがあった。だけど、手取り足取り教えるのではなく、ヒントを与えるので自分なりの答えを出せという考え方で、その答えに至った根拠を示せないと怒られた。自分で考えるという習慣が身に付きましたね。僕はプロ野球で19年現役を続けましたが、これは野村監督のお陰で、最大の恩師だと思っています。

 一流の脇役になれたかどうかは他人が評価することなのでわかりません。

 2019年の11月に取材で一緒になったのが、野村監督と話す最後の機会でした。その時、「早く監督をやれ」と言われましたが、その姿を見せられなかったことが残念です。

【プロフィール】
宮本慎也(みやもと・しんや)/1970年生まれ。野村ヤクルト5年目の1995年に入団し、2年目からショートに定着。現役引退までヤクルトに在籍した。

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
来季米ツアー出場権を獲得した原英莉花(C)Yasuhiro JJ Tanabe
《未来の山下美夢有、竹田麗央を探せ》国内ツアーからQシリーズへの挑戦の動きも活発化、米ツアー本格参入で活躍が期待される「なでしこゴルファー」14人
週刊ポスト
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン