【大関】オリエンタルラジオ・中田敦彦「中田敦彦のYouTube大学」(2019年4月開設、登録者数332万人)
中田は、歴史や時事問題、ビジネス術などについて解説する動画を投稿し、教育系YouTuberとして人気を集めている。ただ、なーちゃん氏が注目しているのは、11月21日よりスタートした新番組『WinWinWiiin(ウィン ウィンウィーン)』だ。
こちらは中田と雨上がり決死隊・宮迫博之によるトーク番組で、それぞれのYouTubeチャンネルで展開されている。記念すべき初回は、元ジャニーズの手越祐也をゲストに招いた。スタジオの華やかなセットや、テロップの出し方などは地上波バラエティと遜色がないクオリティだ。
「宮迫さんと2人で立ち上げた『WinWinWiiin』への期待から、中田さんを大関に選びました。『テレビっぽい企画』をYouTubeで展開する点がポイントです。また、中田さんはYouTuberとして人気を集めるだけでなく、中田さんが運営するオンラインサロンの会員数を順調に伸ばした点でも強いです」(なーちゃん氏)
【横綱】石橋貴明「貴ちゃんねるず」(2020年6月開設、登録者数144万人)
とんねるず・石橋貴明とTVディレクター・マッコイ斉藤による公式チャンネル。4年の執行猶予期間が満了した元プロ野球選手の清原和博との「男気じゃんけん」や、ロックダウン〜オープンアップまでの4段階で飲食店を評価する「東京アラートラン」といった企画が人気を集めている。〈石橋貴明がノリだけで何でもやっちゃう番組〉という番組冒頭のテロップの通り、古き良きバラエティ番組を彷彿させる雰囲気だ。
「『貴ちゃんねるず』は、“テレビっぽい動画”をYouTubeに適応させた力量が素晴らしく、他の芸能人チャンネルとは一線を画しています。多くのYouTuberは、ヒット動画のトレンドに乗るため、他のYouTuberによる人気の動画や、それに関連する内容の動画を企画します。しかし、『貴ちゃんねるず』は、独自の『面白そう』な企画を打ち立てています。
また、編集に関しても、テロップの付け方やテンポ感がテレビ番組そのものです。ヒカキンさんのようなエンタメ系YouTuberは、効果音やBGMやテロップを多用しますが、『貴ちゃんねるず』はテロップも少なく、シンプルな作りです。
インターネットのコンテンツだと、視聴者の体感時間が3倍遅く感じるために、テンポの良い編集をすることが一般的にもかかわらず、『貴ちゃんねるず』の編集は、真逆なテイストです。YouTubeの視聴者の年齢層が上がり、テレビを見ていた層が流入しているのかもしれません」(なーちゃん氏)
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なーちゃん氏が指摘する通り、芸能人YouTuberによって“テレビっぽさ”が持ち込まれた結果、YouTuberというジャンル全体に変化が起きるかもしれない。チャンネル開設元年、戦国時代を経て、2021年の芸能人YouTuber業界はどうなるのか。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)