ビジネス

2020年にひっそりと消えたクルマたち なぜ切り捨てられたか

アジア市場に依存し過ぎて自滅
「バレーノ」(スズキ)

 スズキがインドで上級コンパクトという定評を得ている乗用車「バレーノ」を日本市場に導入したのは2016年。生産はインドの合弁会社、マルティ・スズキで行い、日本へはインドからの輸入。日本で初めて型式指定を受けたインド車となった。しかし、販売は当初から不調で、2020年7月にカタログからあえなく落ちた。

インドで上級コンパクトカーの定評を得ていたスズキ「バレーノ」

インドで上級コンパクトカーの定評を得ていたスズキ「バレーノ」

 バレーノはインドのユーザーの好みが色濃く反映された作りになっていた。たとえばバックドア上にはインドのユーザーが大好きという大型のクロームメッキ飾りが装着されていた。エアコンは繊細な風量・温度調節よりとにかく大風量で冷え冷えになることを狙いにしていた。猛暑の日にキンキンに冷やすのがインドにおけるステイタスだからだ。室内はアジア向けのBセグメントらしく広々。荷室も十分だった。

 だが、3気筒ターボエンジンは、走行中はそこそこスムーズなもののアイドリング時には盛大な振動が出るし、合皮レザーシートの縫い目はところどころ曲がっているしと、商品性は先進国の顧客を満足させるには至っていなかった。日本では同じクラスで欧州をターゲットにした「スイフト」も販売されており、顧客の大半はそっちに流れる格好となった。

 アジア市場は現地生産・現地販売をうまく回せれば大きな利益が出るということで、自動車メーカーにとっては美味しい市場である一方、所得が低いためクルマのニーズは先進国市場と著しく異なり、そこをターゲットとしたクルマは売りにくい傾向がある。

 その点、バレーノはホンダ・グレイスと同じ罠にハマって自滅したモデルと言える。と同時に、いくら利益が出るからといっても、アジア市場の利益におんぶに抱っこになってしまうとグローバル戦略が成り立たなくなるというリスクを浮き彫りにする事案でもあった。

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