芸能

『教場II』での不気味さは「演技派・木村拓哉」の存在を際立たせた

公式HPより

公式HPより

 スターであればあるほどパブリックなイメージから脱却するのは難しいものだ。しかし木村拓哉には変化の兆しも見受けられるという。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘した。

 * * *
 年末年始に放送された数あるスペシャル番組で目をひいたのは?--1月 3日の前編が世帯視聴率13.5%、翌4日の後編は13.2%。2夜連続13%台を維持し、同時間帯横並びトップを獲得、注目を集める結果となったのが木村拓哉主演のドラマ『教場II』(フジテレビ系)。数字を見る限り、前編からの離脱者もほとんどいなかったもようです。

 とはいえ、コロナ禍の中でのシビアな年始。ドラマの主人公・冷酷無比な警察学校教官、風間公親はニコリともしないどころか「落ち度があれば即刻退校だ」と迫ってくる。癒やしの要素やリラックスシーンはあまりにも少なく、厳しい訓練、拷問に近い残酷なシーンもあって、人が亡くなったりケガをしたり。血の凍るような重苦しい空気が漂う。映像に照明、音楽も緊張感を高める効果がバツグン。

 ……という「氷の世界」を、いったいどこまで我慢できるだろうか。いつまで見続けることができるか? と自問自答しながら見ていました。もし、視聴率が示すように画面に吸い寄せられた人が多かったのだとすると、「怖い物見たさのホラー感」も寄与していたのでしょうか。

 もちろん見所はいろいろありました。生徒役に福原遥、杉野遥亮、眞栄田郷敦、上白石萌歌、乃木坂46・樋口日奈、SnowMan・目黒蓮……今注目の若手たちがズラリと勢揃い。それぞれの個性が光っていた。一人一人の感情の機微、抱えている問題が浮き彫りになり、謎解きも隠されていてミステリアスな展開。中堅どころの役者として松本まりかや濱田岳らも熱演していました。

 でも、それだけではない。なぜ、こうもじっと「氷の世界」に見入ってしまうのか。やはり、あの人の威圧的な存在感こそが牽引力か。風間を演じた木村拓哉の異様。あの空気はどこから出てくるのか? 少し前までは「何をやってもキムタク」など揶揄的フレーズが響いていたのに。

 実は、奇しくも年末の別番組『ヒューマニエンス “目” 物も心も見抜くセンサー』(NHK 2020年12月24日)において「風間教官を読み解く重要なヒント」が示唆されていたのです。

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン