ところで、2020年末に放送された『第71回NHK紅白歌合戦』は、コロナ禍の影響により寸劇などの演出がなくなったことが、むしろ視聴者から「歌に集中できる」と好評を博した。THE FIRST TAKEといい、昨年の紅白といい、いま世の中では、シンプルに歌を楽しむためのコンテンツが求められているのかもしれない。

「コロナ禍の影響は大きいと思います。昨年後半は有観客のライブやコンサートも少しずつ戻ってきていましたが、スタジアムやアリーナのような大きな会場を満員にするのはまだ制限されています。また、オンラインライブでは、視聴者が何万人いようと、アーティストとオーディエンスは画面を介した一対一の関係になる。

 そういう状況において、『みんながひとつになって盛り上がる』という一体感を音楽がもたらすのは難しい。必然的に、シンプルに歌の力を届けるようなパフォーマンスにフォーカスされる時代になってきていると思います」(柴氏)

 みんなで同じ曲を聴いて盛り上がる時代から、ひとりひとりが歌にしみじみと向き合う時代へ——。新型コロナウイルス感染拡大の中で、音楽の聴き方というものも変化しつつあるようだ。

◆取材・文/原田イチボ(HEW)

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