芸能

テレ朝が打ち出した奇策 土曜23時台に30分ドラマ2作続ける狙い

『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』は小芝風花が主演(公式HPより)

『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』は小芝風花が主演(公式HPより)

 新年になって新しいドラマの放送が始まり、数々の話題作が放送されている。そんななか、異例の編成で注目が集まっている時間帯がある。それはテレ朝の23時台だ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 各局の冬ドラマが次々にスタートしていますが、業界内でひそかに注目を集めているのは、テレビ朝日が23時30分スタートのドラマ枠『オシドラサタデー』を新設したこと。その第1弾として生田斗真さん主演の『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』が16日にスタートします。

 同作は、細々と執筆を続けながらベストセラー作家の妻や子どものために家事を行う吉丸圭佑(生田斗真)が主人公のホームコメディですが、内容以上に注目されているのは、「30分のドラマである」こと(初回は1時間スペシャル)。

 そもそも民放各局で30分という短いドラマ枠は、24時台後半から26時台のかなり遅い時間帯にしかありません。さらにテレビ朝日は『オシドラサタデー』の前に、23時から30分のドラマ枠『土曜ナイトドラマ』を放送しているため、「土曜23時台に30分ドラマを2作続けて放送する」という異例の編成になります。

 民放各局で23時台にドラマを編成しているのは、テレビ朝日系の『金曜ナイトドラマ』(23時15分~24時15分)と、東海テレビ制作・フジテレビ系の『オトナの土ドラ』(毎週土曜23時40分~24時35分)のみ。数少ない上に60分、55分という通常通りの長さです。 ※日本テレビ系の『土曜ドラマ』は22時30分~23時25分に放送(プライム帯スタートのため該当せず)

 なぜテレビ朝日は他局とは異なる「土曜23時台に30分ドラマ×2作」という編成戦略を採用したのでしょうか。実は昨秋に、今冬につながる2つの兆しが表れていました。

昨秋に見られた「30分×2作」のきざし

 昨秋、テレビ朝日は土曜22時台の番組を大きくリニューアルしました。20時54分から22時10分まで放送していた『サタデーステーション』を15分間短縮して21時55分に終了させ、22時台に『あざとくて何が悪いの?』『ノブナカなんなん?』という30分バラエティ×2作を放送しているのです。民放主要局でプライム帯の30分番組は『おしゃれイズム』(日本テレビ系)くらいしかないだけに、当時はテレビ朝日の思い切った編成戦略に驚きの声が挙がっていました。

 また、テレビ朝日はそれまで50分番組だった『土曜ナイトドラマ』を昨年10月スタートの『先生を消す方程式。』から30分番組に縮小。23時30分から24時までの30分はつなぎの番組としてバラエティの『なにわ男子と一流姉さん』を1クール限定で放送しました。つまり昨秋の段階から「土曜23時台は30分番組を2作並べる」という布石を打っていたのです。

 もともと土曜23時台は、日本テレビ系の『マツコ会議』『有吉反省会』、TBS系の『人生最高レストラン』、フジテレビ系の『さんまのお笑い向上委員会』と、30分のバラエティが根強い人気を集める時間帯。多くの視聴者が「30分番組を見る」という視聴習慣が根づいています。

 一方、50分番組だったテレビ朝日系の『土曜ナイトドラマ』に目を向けると、スタートからの3年間で「十分な結果を残せた」と言えるのは、2018年の『おっさんずラブ』くらい。「50分番組で結果が出なかったのだから、裏番組のように30分番組に短縮しよう」「もう1つ30分番組を放送して、30分番組を2作並べよう」と考えるのは当然かもしれません。

 ちなみにテレビ朝日は昨秋に日曜も21時~22時台の2時間特番枠『日曜プライム』を終了させ、22時台に『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』『テレビ千鳥』という30分バラエティ×2作を放送しています。やはり局として、「土日の夜は30分番組を立て続けに放送して若年層に見てもらおう」という狙いがあるのでしょう。

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン