スポーツ

新宗教系のスポーツ名門校 宗教色薄い学校多いが幸福の科学は例外

野球の名門校だったPL学園も信仰と結びつきが強い(写真はPL教団の象徴・大平和記念塔)

野球の名門校だったPL学園も信仰と結びつきが強い(写真はPL教団の象徴・大平和記念塔。時事通信フォト)

 箱根駅伝を盛り上げた創価大学、そして全国大学ラグビー選手権で初優勝を果たした天理大学は「宗教団体」を母体とする。なぜ教団はスポーツ教育に力を入れるのか──。『永遠のPL学園』(小学館刊)の著者でノンフィクションライターの柳川悠二氏が裏側に迫った。(文中敬称略)

 * * *
 信仰とスポーツ活動が密接に結びついた学校といえば、PL学園だろう。黄金期にあたる1980年代は全国に点在する教会のネットワークで有望中学生の情報を集め、大阪府の富田林でセレクションを実施。入学した選手の学費などは、教団の寄付を惜しみなく投じて賄なっていた。

「神に依る野球」「PLの野球は世界平和に通ず」という理念のもと、プレー中は、打席に入る際や守備に就く際に、ユニフォームの胸の辺りに隠れたアミュレットと呼ばれる御守りを握りしめ、祈りを捧げた。

 PLは神道系の新宗教であるが、勝利を嘆願する神頼みではなく、「練習通りの力が出せますように」という願いを込めたルーティンのような所作であった。

 あれほどの人気を集めたPLも、学園を運営する教団の信者数が激減し、あわせて学園の生徒数も大きく定員割れして硬式野球部に力を注げる状況ではなくなった。度重なる暴力事件などの不祥事もあり、野球部は2016年に事実上の廃部に。剣道部も全国随一の強豪校として名高かったが、かつての勢いはない。

 しかしながら、100年を超える高校野球の歴史を、新宗教系の学校が彩ってきたのは確かだ。甲子園常連校では辯天宗を母体とする智弁学園(奈良)や智弁和歌山、そして天理や創価。また、激戦区の大阪で夏1回の出場経験がある金光大阪(金光教)や東京の佼成学園(立正佼成会)も強豪である。

 現在も名門であり続ける新宗教系の学校は、PLとは違って宗教色が薄いのが特色だ。以前、智弁和歌山の前監督である高嶋仁氏に話を聞くと、自身も信者ではないと打ち明け、こう続けた。

「野球部だけやなく、ほとんどの生徒が信者ではありません。以前は、試合中に念珠をつけてプレーする選手もいましたが、高野連から危険だということで禁止になった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン