芸能

テレ東のWBSが報ステの視聴者を奪うのではないかと想像される理由

大江麻理子アナは今やテレ東の顔(時事通信フォト)

大江麻理子アナは今やテレ東の顔(時事通信フォト)

 情報へのアクセスは多様化しているだけに、報道番組のあり方も変化して当たり前、なのかもしれない。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 4月から放送時間を1時間早めて夜10時スタート。『報道ステーション』(テレビ朝日)とガチンコで競いあうことになると、がぜん注目を集めるのがテレビ東京のニュース番組『WBS(ワールドビジネスサテライト)』(月~金午後11時)です。

 30年以上も続くテレ東の老舗看板番組が敢えて、時間を繰り上げて他局のニュース番組にぶつけてくるとは。ずいぶん思い切った戦術。テレ朝・報ステはかなりの脅威を感じているはずでしょう。

 今回の発表について、マスコミの中には「テレ東の女子アナ美女軍団でサラリーマンの視聴者をとりこにする作戦」などと指摘する記事もありました。いまだに“美女アナ軍団”による勝算予想とは、その昭和感覚に驚かされます。

『WBS』はニュース番組とは言っても「経済を軸」にした独自性があります。4月からジワジワと視聴率をあげて、報ステの固定客を奪取していくのではないか、と想像される理由を5つ挙げてみたいと思います。

【1】働く女性視聴者たちの共感を得る可能性が高いこと

 他局のニュースを見れば、いまだに甘えた声を出し不必要に笑ったりする女子アナもいる中で、『WBS』は衣装も化粧も場に沿った落ち着きぶり。メインキャスターは大江麻理子アナウンサー、全体を俯瞰しながらの采配には安定感があって、まさにキャスターの仕事をこなすプロ。

 大江アナだけではありません。相内優香アナや須黒清華アナ(現在産休中)らが曜日で交代していくスタイルで、誰がメインになってもクリオリティが全く落ちない。それぞれ役割を自覚しきっちりと回していく姿に、働く人々の共感を呼ぶ要素が満載です。

 もちろん、『報道ステーション』の徳永有美アナも媚びずに頑張っていますが、中心軸はどうしても富川アナになり、徳永さんは添え物的というか脇役に甘んじざるをえないのが残念。

【2】「考え方」が、番組にはっきりあること

 今週1月18日の放送から大江アナと解説キャスターらがマスク姿で出演し注目の的となりました。これにはテレ朝『羽鳥慎一モーニングショー』のコメンテーター・玉川徹氏も「頭が下がる思い」と大絶賛。いつもは辛口の玉川さんがそこまで褒め称えた理由は、わかっていてもなかなか決断できないメディアばかりの中、『WBS』がキッパリと先陣を切ったからでしょう。

 大江キャスターはこうアナウンスしました。

「緊急事態宣言を受けましてより一層、感染対策を強化することが必要と考えての決断です」「フィールドキャアスターについては、ほかの出演者やスタッフから離れた場所にいるためマスクなしで出演します」

 明解に理由を語り淡々と番組を進行していく姿は小気味いほど。つまり、「メディアには啓蒙の役割もある」ということを提示した。それもこれも、番組にしっかりした哲学があるからこそなし得たことでしょう。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン