もうひとつ名セリフを引き出したのは、『利家とまつ』のウエンツ瑛士蘭丸。本能寺で「夜討ちでございます」「明智勢と見受けられます」と報告すると、それを聞いた信長は、「…で、あるか」とつぶやくのである。
『麒麟がくる』の板垣蘭丸は、光秀(長谷川博己)と徳川家康(風間俊介)が親し気に語り合っているのを物陰から怖い顔でじっと観察。織田家が家康を招いた宴で膳が指示と違うと激怒した信長(染谷)は、饗応役の光秀を怒鳴りつける。慌てて信長の前の膳を下げようとして、器を取り落としてしまう光秀は信長に足蹴にされ、転倒したところに蘭丸は「上様に粗相を」「無礼であろう」となどと言い放つ。
最終回で蘭丸はどう動くのか。信長から名セリフを引き出すのか。本能寺の変の原因も新しい解釈で突き進む『麒麟がくる』だけに、セリフは違う予感もする。蘭丸を最後の最後まで出さなかったことにも意味があるのかも。信長×蘭丸の言動を注視したい。