芸能

『麒麟がくる』ではどう描かれる? 信長の名台詞引き出す森蘭丸の存在

番組公式HPより

最終回に注目が集まる(番組公式HPより)

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が2月7日の放送で最終回を迎える。過去の映像作品では、本能寺の変で織田信長の家臣・森蘭丸が重要な役割をになってきたという。『麒麟がくる』最終回で、信長と森蘭丸はどう描かれるのか? コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんが過去の作品を紐解きながら解説する。

 * * *
 ついに出た、森蘭丸!

 最終回直前の『麒麟がくる』に、板垣瑞生演じる森蘭丸が登場した。織田信長の家臣として、御屋形様の身の回りの雑事をし、伝令役も果たす蘭丸。時代劇では、源義経、大石主税と「三大美少年」とも言われる人物だ。

 大河ドラマで蘭丸のスタイルを確立したのは、1965年の『太閤記』の片岡孝夫だ。本能寺の変の最中、明智軍に取り囲まれ、いよいよ追い詰められた信長(高橋幸治)は、この状況ではおとなの証として前髪を切ってやる儀式はできないが、せめて元結だけはと蘭丸の髪を縛った元結を切ってやる。信長様の落ち着きぶりにはびっくりだが、ざんばら黒髪になった蘭丸の横顔の美しいことにも二度びっくり! 当時、十代だった片岡孝夫はその後、歌舞伎の大名跡・片岡仁左衛門を襲名、2015年には人間国宝になっている。

 その後も多くの若手俳優が蘭丸を演じてきた。1973年の大河ドラマ『国盗り物語』で豪快な高橋英樹信長を支えたのは、山口百恵の『赤いシリーズ』などドラマで大活躍した中島久之の蘭丸だった。他の大河ドラマでは『徳川家康』に役所広司×土家歩、『信長 KING OF ZIPANGU』には緒形直人×石野太呂宇(竜小太郎)の信長×蘭丸が登場。2000年以降では、『功名が辻』舘ひろし×渡辺大、『江~姫たちの戦国』豊川悦司×瀬戸康史の顔合わせもあった。そこで気がつくのは、森蘭丸が信長の名セリフを引き出す役割を果たしていることだ。

 それがよくわかるのは、1996年の大河ドラマ『秀吉』。本能寺で不穏な動きで目を覚ました信長(渡哲也)に森蘭丸(松岡昌宏)が叫ぶ。「敵は惟任日向守(光秀)!!」。にわかには信じなかった信長だが、やがて納得したのか、「日向守がなにゆえに謀反を」と言う蘭丸に「是非に及ばず」と一言返すのである。出ました、名セリフ。「是非に及ばず」は、信長の言葉として、高橋英樹も豊川悦司もしっかり言っている。

 なお、松岡は2006年、テレビ朝日『信長の棺』で信長役だった。映画『清須会議』で森蘭丸、『麒麟がくる』で信長を演じる染谷将太とともに戦国の美少年と強烈武将ふたりを演じた俳優ということになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
羽生結弦の勝利の女神が休業
羽生結弦、衣装を手掛けるデザイナーが突然の休業 悪質なファンの心ない言動や無許可の二次創作が原因か
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン