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「子供を持ってこそ一人前」 森喜朗氏の失言で思い出した叔父の言葉

知らずに相手を傷つけている可能性が…(イラスト/友利琢也)

知らずに相手を傷つけている可能性が…(イラスト/友利琢也)

 森喜朗氏のような失言は、中高年の男性にとって必ずしも対岸の火事というわけでもないだろう。コンサルティング会社に勤めるA氏(40)が語る。

「同級生の妻と結婚して、5年になりますが、子供はいません。先日、親戚の集まりに出たら、たまにしか会わない叔父が僕にビールをつぎながら、デカい声で『子供を持ってこそ男は一人前だぞ』と言ってきた。子供がいないと一人前じゃないなんて誰が決めたのでしょうか」

 冠婚葬祭の場でも、知らずに相手を傷つけていることはある。

 クリーニング店を営むB氏(52)は、一昨年に父親が82歳で他界。遺言に従い、親戚だけを呼ぶ家族葬で亡き父を見送ったのだが──。

「叔父が葬儀場に着くなり『もっと立派な式は出してやれんかったんか。可哀想やろうが』と大声で迫ってきたんです。身内だけでひっそりというのが父の遺志だったし、家族で十分に話し合って決めたことだった。でも叔父は『兄貴はお前たちに気を遣ってそう言ってただけだ。立派な葬式をあげてやるのが長男の務めだろう』と、まったく聞く耳を持ちませんでした。

 本人はよかれと思って言っているつもりなんだろうけど、静かに父を送り届けることができず、嫌な思いだけが残りました」(B氏)

 その後は叔父の家には顔を出さず、年賀状をやりとりするだけの関係になっているという。

※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号

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