国内

アラ還女性ライター 森氏失言に「国際的に糾弾されるほど?」と疑問

辞任会見で頭を下げる森喜朗氏(時事通信フォト)

辞任することになり、頭を下げる森喜朗氏(時事通信フォト)

 東京五輪の開催予定日まであと5か月というのに、組織委員会のゴタゴタは続く。果たして開催できるのだろうか……。体験取材などでおなじみの女性セブンの“オバ記者”こと野原広子が、森喜朗氏の失言騒動と五輪について、思いを明かす。

 * * *
 森喜朗さん(83才)が“失言”で日本中……どころか世界を騒がせて、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長辞任に追い込まれた。でも、私は最初から周囲にこう言っていたの。

「あの発言の何が悪いのかわかんない。80を過ぎたエライさんにマイクを持たせたら、もっとすごいことを言うよ」

 いまにして思えば、いろんな意味でヘタを打ったと思うけれど、 昭和の半ばに茨城の農村部で生まれ育った私もまた、男女平等意識が乏しいんだわ。

「女のくせに」「女だてらに」「女が出しゃばんじゃねえ」「女なんだから」などなど、学校の先生もふつうにそう言っていたもの。といって、男がエライとか、女を指導する立場にある、なんてこれっぽっちも思わなかった。

 バカな父ちゃんをおだてたり叱ったりしながら、母ちゃんが一家の面倒を見ている家が、当時は珍しくなかったのよ。そして、お酒が過ぎた父ちゃんが暴言を吐いたりすると、母ちゃんは怒鳴り返したり、時にはつかみ合いのケンカ。でも、力では男にかなわない。殴られる前に逃げる。

 といっても、ただ逃げることはしない。ケンカの翌日か翌々日か、母ちゃんは町の洋品店に向かう。父ちゃんが生涯、縁のない金額の洋服をバンバン買うために。

 東京のサラリーマン家庭はどうだったか。

 都内に住む私の叔母は、大手精密機器メーカーに勤めていた叔父と結婚した。結核病院の患者と看護婦として知り合った後の結婚だった。そのとき叔母は、年配の患者からこう言われたそうな。「『給料袋を妻に渡す前に開封するようなことが一度でもあったら、そのときは離婚する』。そう約束させなさい」と。

 叔父はその言葉通り、給料を全額そのまま叔母に渡し、週に1度、小遣いの範囲内で競馬を楽しんだ。定年退職して数年後、がんの床についたとき、「もう競馬は卒業だ。あとは息子に全部託すよ」と言って馬券を数枚、従兄弟に渡した。聞けば、当たり馬券は100円券ばかりで、換金したところで合計3620円。

 男は給料を全部妻に渡して、威張る。女は従順なふりをする代わり、家計はがっちり握る。それはそれでバランスが取れていた時代があったのよね。私が結婚した1981年は、すでに給料は振り込み制になっていたけど、「給料に手を出さない」は、サラリーマン男の気概としてまだ残っていたと思う。

 それが大きく変わったのは、私の実感で言うと、男女雇用機会均等法からね。職種も給料も男女差なし。めでたし、めでたし。と言いたいところだけど、正直、ライター業はハナから給料(原稿料)に男女差がないからピンとこない。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン