そもそも結婚を約束したのか、そうではなかったのか――ふたりの気持ちのすれ違いは、訴訟での「請求額」として表面化する。
大手紙の司法担当記者が目を丸くする。
「婚約を破棄したなどの慰謝料の相場は多くても数百万円程度ですが、今回A子さんがATSUSHIさんに請求した額は約5000万円に上りました」
その金額からも、A子さんの怒りと困惑が透けて見える。裁判では生々しいやりとりも明かされたようだ。
「赤裸々なLINEのやりとりも裁判資料として提出されたのです。ATSUSHIさん側の弁護士は、私生活についての重大な秘密が記載されていて芸能活動に大きな支障が出ると主張し、裁判資料のほとんどを黒塗りにしたほどでした」(前出・司法記者)
泥沼化しそうだったこの訴訟は今年2月、A子さんの突然の訴訟取り下げによって幕を下ろした。
「一般的に、訴訟の取り下げは和解金が振り込まれてから行われます。請求額と同等かはわかりませんが、いくらかの支払いがあったのかもしれません」とは、九段下総合法律事務所弁護士の伊倉秀知氏。
「通常、婚約破棄の裁判は慰謝料とは別に、家庭に入るために仕事を辞めた、一緒に暮らすために引っ越したなどの逸失利益が損害賠償として上乗せされます。ただ、5000万円という請求額はこの種の裁判では極めて高額だと思います」
ATSUSHIの所属事務所に事実確認をしたところ、締め切りまでに回答がなかった。人気者ゆえの難しさもあるのだろう。
※女性セブン2021年3月18日号