さらに、現れると最も短期間に地震が起こる可能性が高いとされているのが、細長い雲が2~3本きれいに並んだ「竜雲」、巨大な塊のような「熊のジョン」と呼ばれる雲である。
「雲というのは千差万別であらゆる形状や色があるため、その特徴によって科学的に地震を予測することはできないと思う」(武蔵野学院大学特任教授・島村英紀さん)というように、多くの専門家は雲と地震の関連性に懐疑的だ。
しかしその一方で、大地と空の密接な関係を示す研究もある。東日本大震災のときは3日前から宇宙と大気圏の境目にある電離層の電子密度が増していたことが証明されている。これは地震の前段階で地中の岩盤に力が加わることで、地表に出された放射性ガスなどが電離層に影響を与えたため、とみられている。地震発生前の大地の変動が、空中の雲の形状に変化を与えていることは充分考えられる。
空に関する予兆で言えば、「赤い月」が出るという説もあり、阪神・淡路大震災のときにも見られたという。こちらの科学的な根拠は不明だが、地殻変動が影響している可能性も否定できない。
※女性セブン2021年3月25日号