公選法では、任期満了の半年前になると候補者のポスター掲示が禁止される。そのため、議員は党首との2連ポスターなどに貼り替えるが、自民党は菅首相とのツーショットを敬遠する議員が多い。東京選出議員の地元秘書が語る。
「今回は4月21日までにポスターを貼り替えなければならないが、不人気な菅さんとの2連にしたら票を減らしてしまう」
そこにこの文書が配られた。自民党中堅議員は、「総選挙を最大11月28日まで引き延ばせるとは知らなかった。それなら、9月の総裁選で新総裁が誕生すれば、首相就任後に国会で所信表明を行なってから解散・総選挙という日程が可能になる」と語る。
政治ジャーナリスト・藤本順一氏が指摘する。
「文書の意図は、総裁選で菅総理のクビを挿げ替え、新しい看板で総選挙を乗り切ろうということ。それまでは菅首相の解散権を封じ込めなければならない。それを日程表だけでピンポイントで訴えている。総務省の接待問題など政権不祥事が発覚した背景には霞が関の造反があると見られており、それと自民党内のアンチ菅勢力が手を組んで仕掛けているとすれば、根は深いのではないか」
この文書、内閣情報調査室を通じて官邸にもあげられているという。
※週刊ポスト2021年4月2日号