ビジネス

自動運転の進化で「自動車保険」はどう変わるのか 事故激減なら保険料は安くなる?

「レベル3」の自動運転機能を搭載したホンダの新型レジェンド(時事通信フォト)

「レベル3」の自動運転機能を搭載したホンダの新型レジェンド(時事通信フォト)

 クルマの自動運転が進化している。3月にはホンダが量産車としては世界初となる、「レベル3」の自動運転機能を搭載した新型「レジェンド」を発売した。まさに自動車革命の到来だが、運転操作のすべてを人間ではなくシステムが行う時代が来れば、自動車保険はどうなるのか。ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が解説する。

 * * *
 クルマの自動運転で新たな動きが出ている。自動運転は、かつてはSF小説の中で「夢のクルマ」として描かれ、空想のものに過ぎなかった。

 だが、1980年代に専用の道路上を走行する車種が開発され、2000年代に入ると市街地を模したコースでの走行実験が進められた。そして2010年代、自動運転機能を搭載したクルマの開発や自動運転での高速道路走行を通じた物流サービス、無人自動運転移動サービスなどの実証実験が始まっている。

 自動運転については、交通事故の低減、交通渋滞の緩和・解消、ドライバーの人材不足の補完、高齢者の移動手段の確保、環境負荷の低下など様々な効用が期待されている。

 そして、自動運転技術の進歩に合わせて、新しい自動車保険の仕組みついても検討や取り組みが進められてきた。ここでは簡単に見ていくこととしたい。

自動運転のレベルはどこまで進んだか?

 よく知られたことだが、ひとくちに自動運転と言っても、システムが操舵や制動といった運転操作の一部を代行するものから、すべての運転をシステムが行い運転者不要となるものまで、いくつかの段階がある(別掲表参照)。

自動運転レベル分けの概要

自動運転レベル分けの概要

 運転者がすべての運転タスクを行う状態は、レベル0。そのうえで、自動運転の程度は別掲表の通り5つの段階に区分されている。先日ホンダが発売した新型「レジェンド」は、条件付きだが、システムがアクセルやブレーキ操作を行う世界初のレベル3の量産車とされる。今後、レベル4、レベル5の運転自動化が進んでいくことが期待されている。

 自動運転システムは、自動車の新機能の一種ではあるが、従来のメーカー単独での開発にはとどまらない。センサーやレコーダー(ドライブ・レコーダー=DR、イベント・データ・レコーダー=EDR)などのハード、人工知能(AI)、運転支援技術など、関連分野が広範囲にわたっており、多様なメーカー間で共同開発やM&Aなどが繰り広げられている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
松田烈被告
「テレビ通話をつなげて…」性的暴行を“実行役”に指示した松田烈被告(27)、元交際相手への卑劣すぎる一連の犯行内容「下水の点検を装って侵入」【初公判】
NEWSポストセブン
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
会談に臨む自民党の高市早苗総裁(時事通信フォト)
《高市早苗総裁と参政党の接近》自民党が重視すべきは本当に「岩盤保守層」か? 亡くなった“神奈川のドン”の憂い
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン