ライフ

「体操服の下の肌着禁止」不可解な校則はなぜつくられるか

生徒手帳に書かれていない「校則」が存在する(イメージ)

生徒手帳に書かれていない「校則」が存在する(イメージ)

 男子は長髪禁止、女子はポニーテール禁止、下着の色は白、自転車通学時はジャージに限る、など理不尽な校則を体験して大人になった人は多いだろう。だが、この「校則」と呼ばれているものはほとんど、生徒手帳に文章で記載された校則に含まれていないことが分かってきた。しかし、なぜかその手の出典不明な「校則」は全国各地の学校ではびこっている。ライターの森鷹久氏が、なぜ謎ルールが制定され校則と同じ扱いで守られているのか、背景をさぐった。

 * * *
「体操服の下に肌着を着用してはいけない」など、独自の意味不明な規則がある一部学校の実態が、少し前に話題になった。テレビには取材に応じた当該学校に通う子の親が登場し、その理不尽さを訴え、学校側や教育委員会などに説明を求めたいと話す様子なども放送された。

 こうした問題が発覚すると、まず「悪者探し」が始まるのも常だが、規則を決めたはずの学校、そして教育委員会にその経緯を問うても、返ってくるのは要領を得ない、責任回避のような謝罪めいた言葉ばかり……。その無責任さに腹を立てた視聴者も少なくないだろうが、そこには学校側の知られざる苦悩、混乱があるようだ。

「私の学校にも、テレビや新聞で騒動を知った親御さんから何件か問い合わせが来ました。実はうちでも、体操服の下に肌着を着用してはいけない、という暗黙のルールがあったためです。さらにそのルールが女子生徒にしか課せられておらず、マスコミに知られたらまずいと、校長も教頭も慌てて対応していました」

 副島聡美さん(仮名・20代)は、千葉県内の公立中学校教諭。この騒動が起こるまで「肌着禁止」について、学校の内外から表立って指摘されたことはなく、改めて学校規則を見返してみても、そのような記にも見当たらなかったと話す。

「肌着禁止について、汗をかいたら冷えるからとか、体を鍛えるため、なんて回答をした学校もあるようですが、うちの学校で規則が制定された理由は一切わかりません。いつ誰が決めたのか、全く記録に残っていないんです。先生達が個別にクラス向けの配布プリントで『お願い』をしていたことはあったと思いますが」(副島さん)

 校則や規則ではないが「慣習」のようなものだったらしい。だからといって誰もが納得しているはずもなく、生徒や親から「なぜ」の声が上がらないわけでもなかった。しかし、謎ルールは受け継がれた。

「先生によって回答はまちまちですが、下着が透けて見えると良くないとか、寒さに耐える意味もある、と説明している方(先生)がいたのは知っています。それでも親御さんや生徒から重ねてのクレームが入ったこともなかったはずです。私は正直、ずっと違和感がありました」(副島さん)

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン