スポーツ

マスターズ優勝の松山英樹 勝利を実感させるガッツポーズの効果

(写真/アフロ)

悲願の優勝を果たし、表彰式でガッツポーズする松山英樹(写真/AFLO)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、男子ゴルフの海外メジャー大会、マスターズ・トーナメントで優勝を果たした松山秀樹選手について。

 * * *
 今週は、松山秀樹の日本男子初となる、マスターズ・トーナメント優勝のニュースから始まった。米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGCで4月11日、松山選手は通算10アンダーでマスターズ制覇という快挙を成し遂げた。

 松山選手のマスターズ出場は10回目。海外メジャー大会での優勝は、本人だけでなく日本男子ゴルフ界にとっても悲願が達成された瞬間だった。朝日新聞デジタルはこの快挙を、「歴史の扉こじ開けた松山」と報じ、松山選手がウイニングパットを沈めた瞬間、生放送していたTBSでは、実況していた小笠原亘アナウンサーや解説していた中嶋常幸プロ、宮里優作プロが感動のあまり涙し55秒に渡って流れた沈黙は、“放送事故”と呼ばれた。

 日本時間の深夜、松山選手が4打差でリードし日本人単独トップで、始まった最終ラウンドは、「マスターズは簡単には勝てない」と言われているように目が離せない展開が続いた。寝不足覚悟で見始めたものの、試合が進むにつれ寝るどころではなくなり、松山選手が映し出されると画面に全集中した。

 緊張した面持ちで打った1番ホールの1打目は、大きく右にそれた。このホールはボギー発進だったが、サンデーバックナイン(後半9ホール)に入った時は2位に5打差と差を広げていた。このまま優勝までいけるかと思ったが、15番ホールでは2打目が池ポチャ。優勝後のインタビューでは、「ここでバーディーを取れば、引き離せると思っていたが、裏目に出ましたね」と語っている。下手の横好きでゴルフをやる人なら分かるだろうが、「あぁ池だ、嫌だなぁ…」と思っていると、なぜかボールが池へと吸い込まれていくあの“不思議”が蘇る。身体が無意識のうちに苦手意識や緊張感に反応してしまう。ミスショットを見る度に彼の緊張感が伝わってくるようだった。

 17番ホールのバーディパットはショートするも、松山選手の顔に浮かんだのは苦笑い。試合後、「1番から最終ホールまでずっと緊張しっぱなしだった」とインタビューで話したが、この4日間を通した松山選手の表情は明るく、いつもより笑顔が多かった。以前のような淡々とした表情や、険しく怖い顔をしたり、怒りを目に見える形で表すこともなく、今回の濃い緑色が美しいオーガスタのコースでは、これまで見たこともないほど多彩な微笑みや笑顔を見せていたのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン