いま中国では、人権問題に声を上げた欧米企業に対する不買運動が起きている。H&Mやナイキがやり玉にあがっているが、最近は市民の動きも鈍りつつあるという。
「中国人も昔よりは余裕ができたんじゃないですか。台湾のパイナップルとかオーストラリアの牛肉とか、国民が誰も食べないかというと食べてますからね。国民みんなが当局に洗脳されるというわけではないです。ウイグルでも、ひどいこと、まずいことをやっているとは思いますが、やり方はうまいんですよね。多くの市民が豊かになるようにして、学校で教育もして、その民族のアイデンティティは薄れていくけれど、みんなが不満を持っているわけではないから統治のうえでは理に適っているわけです」(藤岡氏)
もちろん経済や教育を与えれば民族弾圧が許されるわけではない。しかし、13億人の多民族国家を独裁政権が統治するには、ほかの方法がないのも現実なのだろう。中国を日本や欧米が考える民主的なルールに従わせることは容易ではない。