国内

都道府県別のコロナ死亡率・重症率を算出 「地方」が上位を占める

(写真/時事通信社)

危ないのは感染者の多い大都市だけではない(写真/時事通信社)

「感染者が多い東京、大阪など大都市が危ない」。そう思われていたが、都道府県別の「死亡率ワーストランキング」「重症率ワーストランキング」を作成してみると、その上位には意外な地域がランクイン。単純に感染者数だけに一喜一憂していられないことがわかる。あなたや家族が住む地域は安全か、それとも──。

 全国で突出して感染者数が多い大阪。緊急事態宣言解除後に急増し、4月13日に初の1000人超えを記録した。重症病床の使用率も悪化の一途をたどり、90.6%(4月12日現在)にまで達している。昭和大学客員教授(感染症)の二木芳人さんが言う。

「大阪では英国型の変異株がまん延しています。感染力は従来株の1.7倍で、重症化率も高いので、あっという間にベッドが埋まった。しかも感染者の回復も遅いので、いったん埋まったベッドがなかなか空かない悪循環に陥り、医療体制を逼迫させています」

 厚労省が4月10日までに発表した新型コロナの感染状況によると、大阪を含め、沖縄、奈良、宮城、兵庫は感染者数が10万人当たり25人を超える「ステージ4」(爆発的感染拡大)に相当している。だが、重大な危機に直面しているのは、果たしてそれらの地域だけなのか──。女性セブンは厚労省が発表した数値をもとに、4月1~10日の都道府県別の「死亡率」と「重症率」を独自に算出。ワーストランキングを作成。その結果は意外なものだった。

「死亡率」のトップは北海道で2位福井、3位徳島、4位福島、5位岐阜と続き、いずれも18位の東京、21位の大阪を大きく上回った。一方、「重症率」では和歌山が1位になり、2位熊本、3位秋田、4位高知、5位福島と続き、大阪は9位、東京は32位だった。いずれも目を引くのは、「地方」が上位を占めていること。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんは、ワーストランキングをこう分析する。

「死亡率1位の北海道は、大阪や兵庫に次いで英国型の変異株が多いのに、都市部と比較すると医療体制や専門施設の負担が大きいと考えられます。

 ランキング上位の和歌山は大阪、岐阜は愛知(名古屋)、熊本は福岡(博多)と、大都市に隣接しているという地理的条件がある。若い人を中心に週末になると近隣の繁華街に出かけることが多く、それが火種になっている可能性があります。また、Go Toイートや地域独自の振興事業である県内での旅行割引などが感染を広げているかもしれません」

 死亡率4位、重症率5位の福島も「まん延防止等重点措置」を実施している宮城に隣接し、仙台が「生活圏」に入る。二木さんも「人の流れ」を危惧する。

「大都市圏でのスポーツ観戦や大規模遊興施設などでのイベントに参加した人が、それぞれの地元へ戻り、感染リスクを高めている可能性もあります。東京、大阪は感染者の中心が20代、30代の若者なのに比べ、地方では年齢層が高い。また、医療体制が脆弱な地域もありますので、重症率も死亡率も上がりやすい。実数ではなく率で比較することで、地方が危機的な状況にあるとみることもできます」(二木さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン