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平壌~北京線が4月から再開 高麗航空が1.1億円かけ部品交換

北朝鮮は昨年1月に新型コロナ対策として国境を封鎖してから航空路線が再開されるのは初めて

北朝鮮は昨年1月に新型コロナ対策として国境を封鎖してから航空路線が再開されるのは初めて

 北朝鮮の国営航空会社である高麗航空が、主力航空機であるロシアのツポレフ型ジェット機の修理のために、昨年1年間で約100万ドル(約1億1000万円)相当の飛行機部品を輸入していたことが明らかになった。同社は新型コロナウイルスの感染拡大で1年以上運休していた平壌~北京線の運航を4月から再開しており、航空機の修理が終了したとみられる。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 高麗航空のホームページには、同航空便はほぼ毎日午後4時に平壌を出発し、午後5時50分に北京に到着するスケジュールが掲載されている。北朝鮮が昨年1月に新型コロナウイルス対策として国境を封鎖してから航空路線が再開されるのは初めて。中朝関係が改善していることを裏付けているようだ。

 国連の北朝鮮専門家パネルが発表した最新の報告では、高麗航空はこれまでの1年間で、2機のツポレフTU-204と中距離ジェット機の1機のエンジン、車輪のベアリング、専門のレンチやハンドツールなどの部品にガスタービン補助動力ユニットをロシアから購入した。3基のエンジンは70万ドルと見込まれている。

 これらエンジンなどの購入は、ロシアが国連に対し、高麗航空が老朽化したジェット機の部品を購入することを許可するよう求めた後に行われており、国連は高麗航空が安全性を確保する部品を購入することを許可したという。

 国連が高麗航空の所有する航空機の部品に関して、制裁の対象外にするのは、高麗航空はしばしば大きな被害につながりかねない航空機事故を起こしているためだ。

 例えば、2016年7月、平壌発北京行きの高麗航空機の機内から火災が発生し、中国の瀋陽国際飛行場に緊急着陸を余儀なくされたことがあった。その約1年後の2017年8月にも、高麗航空機の右翼部分の一部の部品が落下したことから、平壌に引き返さなければならなかった。

 北京に拠点を置く北朝鮮旅行の代理店である「ヤング・パイオニア・ツアーズ」はRFAに対して、「すでに、平壌~北京便は再開されている。高麗航空は航空機を安全に飛ばすために、これまで1年間かけて、主力航空機の部品を購入して、修理を進めてきている。これまで高麗航空の悪評はいくつも出ていたが、今回の1年間の休業によって、高麗航空は機体を修理してきた。これは高麗航空が他の航空会社と同様、安全飛行に責任を負っているためだ」と述べている。

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