芸能

南野陽子「それまでのアイドル像とは真逆」なアイドル時代を振り返る

南野陽子が、80年代中期「アイドル四天王」の時代を振り返る

南野陽子が、80年代中期「アイドル四天王」の時代を振り返る

 SNSでの発信や動画配信などもあり、近年のアイドルはファンとの距離が近くなったが、昭和のアイドルは文字通り“高嶺の花”だった。それまでのアイドル像を壊し、「王道」への挑戦を続けた南野陽子が、80年代中期「アイドル四天王」の時代を振り返る。

 * * *
 今考えれば私は80年代のいわゆる“王道”のアイドルとは違ったように思います。私がデビューした80年代半ばは、アイドルはオーディションでグランプリを取り、聖子ちゃんカットにミニスカートで、フレーズが何回もリフレインするキャッチーな歌詞の歌を歌っているというものでした。でも私はオーディションを受けたわけでもなく、聖子ちゃんカットでもなく、洋服もロングスカート。それまでのアイドル像とは真逆でした。

 でもそれが、王道アイドルになりたくてやってくる女の子と違い、新鮮だと感じてくれた当時30代の若手のクリエイターたちの考えにうまく合致し、受け入れてもらえたのだと思っています。これから来る好景気に向かって、時代が大きく変わるタイミングだったのも良かったのかもしれません。私の個性や考え方を尊重してくれたスタッフが素晴らしかったです。“実験的”だったかもしれませんが……(笑い)。

 そうして最初に撮影してもらった『DELUXEマガジン』(講談社)さんをきっかけに、ソニーさんやフジテレビさん、東映さんと次々手を挙げていただき、CMのお仕事なども動き出していきました。

 そこからの2~3年はとにかく忙しかったですね。例えば『スケバン刑事』を撮影していた頃は、朝6時に撮影所に集合してからロケ地に移動し8時に撮影開始。夜は都内に戻ってスタジオ撮影、その合間に雑誌の取材や表紙撮影、歌番組。それが終わって、夜の11時くらいからレコーディングやラジオ。終わりは深夜2時くらいでした。家に帰れず撮影所で寝泊まりしていたので、楽屋にベッドを用意してもらったほどです。

 目の回るような日々でしたが、スタッフの方々と皆で矜持を持って仕事をしていました。多忙さに流されることなく、しっかり時間を刻み、時代を作っている感覚があったのは、貴重な経験だったと思います。

【プロフィール】
南野陽子(みなみの・ようこ)/1985年、18歳の誕生日にシングル『恥ずかしすぎて』で歌手デビュー。中山美穂、工藤静香、浅香唯とともに「アイドル四天王」と呼ばれる。ドラマや舞台など多数の作品に出演。

撮影/野村誠一

※週刊ポスト2021年5月7・14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン