そして1981年、深作欣二監督による『魔界転生』。島原の乱で殺された天草四郎(沢田)が悪魔の手を借りて復活。魔界から宮本武蔵(緒形拳)など強者たちを蘇らせ、大奥にも魔の手を伸ばして徳川政権を操ろうとする。その魔界衆を阻止するため立ち上がったのは柳生十兵衛(千葉真一)だった。アクション、スペクタクル、お色気、なんでもありダイナミックな展開の中で、伊賀の霧丸(真田広之)に四郎がキ! やめてー!!(ジュリーと真田ファンの叫び)金色の目を光らせた四郎の妖しさは夢に出そうである。
ドラマでは光源氏や三億円強奪事件の犯人を演じたこともある。これだけ演じる役が特殊で幅広いのは、「もしもこの人物をジュリーが演じたら」と一流の作り手も視聴者も強く興味を惹かれるからだ。
8月には、主演映画『キネマの神様』が公開される。かつて映画に夢を抱き、今はギャンブル好きのダメ親父という役柄。映画ではずっと「これがジュリー!?」と驚かされてきたが、山田洋次監督がどんな沢田研二を見せてくれるのか。亡き友人・志村けんさんへの思いを抱きつつ演じたジュリーに期待したい。