葬儀当日にも笑顔
再び元従業員の証言。
「早貴さんは葬儀の合間にもしょっちゅうスマホを覗き込んでいましたが、それは早貴さんに言われて従業員が買いに行かされたものでした。警察に呼ばれて携帯電話を押収されたため、『戻ってくるまでこれを使う』と言っていました」
本誌が入手した葬儀当日の映像には、新品のスマホを手に自宅のソファーでくつろぐ須藤容疑者の姿が映っている。
関係者が「(部屋が)キレイやで」と話しかけると、「警察がやりまくりました」「全部拭き取って持っていきました」と笑いながら捜索の様子を明かす。会話の間もスマホをいじることは止めなく、指には白いネイルが光っていた。
「もう、別れてください」
元モデルでAVへの出演経験もある須藤容疑者は、知人の紹介で野崎氏と出会った。長身でグラマーな彼女に野崎氏が一目惚れし、「結婚したら月100万円の“お手当”をあげる」と言って求婚し、2018年2月に結婚した。
「須藤容疑者はメディアの取材に対し、『正直、月100万円もらえるのは美味しい話だと思った』と証言しています」(前出・県警担当記者)
なぜ結婚からわずか3か月で野崎氏は殺されなければならなかったのか。前出の元従業員は、そこに至る一部始終を目撃していた。
「社長は『東京の自宅を整理してくる』と言って出ていったきり、家に寄りつかない早貴さんに業を煮やしていました。『結婚しとるんだから、一緒に住むのが当たり前だろうが』と電話で怒鳴っていたこともあります。
そうこうしているうちに、社長は真剣に離婚を考えるようになった。実はその頃、早貴さんに嫌気がさしてきた社長は、別の女性にアプローチしていました」
それが都内在住で、ジムのインストラクターをしているAさんだった。
「社長はAさんを『ミス・ワールド』と呼んでいました。ミス・ワールドのファイナリストに残ったことがあるとかで、早貴さんが田辺に戻らない4月頃には『ワシはあの女と別れて、ミス・ワールドと結婚する』と言っていました。社長はミス・ワールドに交通費として20万円を振り込んでいたようです。会社の振り込み記録に残っていました。
その頃、社長が電話で早貴さんに『わかりました。もう別れてください』『私たち、別れましょう』と穏やかな声で話しているのも聞きました。新しい女性の存在も告げていたのではないでしょうか。慌てて早貴さんは田辺に戻ってきました。自動車教習所に通うようになったのは、その直後です」