『あまちゃん』以来2度目
清原演じるヒロイン・永浦百音は宮城県気仙沼市の出身で、物語は、やがて東日本大震災も描いてゆくことになる。朝ドラが東日本大震災をテーマにするのは、実に『あまちゃん』以来のこと。10年の節目を迎えた今年、“朝ドラ”で震災の物語を描く──そこにはNHKの覚悟が感じられるようだ。
さらにマニアックな楽しみ方もある。朝ドラを長年ウォッチし、『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)の著者であるライターの木俣冬氏は、「イケメン」要素にも注目しているという。
「朝ドラは内容が大事なことは当然ながら、やっぱりイケメンが出ていることも楽しみのひとつ。その点を『おかえりモネ』はよ〜くわかっていらっしゃって、第1話から内野聖陽、西島秀俊、坂口健太郎と歴代朝ドラヒロインの相手役が次々登場し眼福でした。家族パートを内野、お仕事パートを西島、恋パート(?)を坂口が担当して、どのパートも潤いいっぱいでヒロイン役の清原果耶さんをしっかりサポートしてくれそう。
朝ドラ100作記念の『なつぞら』が歴代朝ドラヒロイン大集合のキャスティングだったので、60周年記念作の『モネ』では歴代朝ドラ男子大集合にしてくれないだろうかと思います。そういう意味では、観光案内映像としてさりげなく使用された大河ドラマ『独眼竜正宗』の渡辺謙も朝ドラ男子のひとりですから(1986年の『はね駒』でヒロインの夫役)、第1話だけで朝ドラヒロインの相手役が4人も投入されていたことになる。これはすごいこと。
ほかにも朝ドラ男子ではないものの、ジャニーズから永瀬廉、渋おじ系で藤竜也に浅野忠信、個性派の清水尋也、玉置玲央もいて、そろいにそろえた印象で、テレビから目が離せません。ネットの話題にも事欠かないでしょうね」(木俣氏)
秘蔵っ子のヒロイン、盤石のスタッフ陣、真摯なメッセージ、そしてイケメン……。全部盛りとでも言えそうな『おかえりモネ』の半年間はまだ始まったばかりだ。
●取材・文/原田イチボ(HEW)