バナナで「健康」にも「幸福」にもなれる
ランキング全体を通して目につくのは、果物の多さ。これは、ヨーグルトに足りない食物繊維やビタミンCといった栄養素を、果物を足すことで補うことができるからだ。さらに、1位に選ばれたバナナは、「幸福」をもたらす作用まである。管理栄養士の磯村優貴恵さんが言う。
「『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンの生成にかかわるトリプトファンというアミノ酸をバナナは含んでいます。さらに、食物繊維を重視する人は青みのある硬めのバナナを選ぶといい。善玉菌のエサになるオリゴ糖も摂取できるため、W効果で腸内環境が整いやすくなります」
何より、果物の中でも最も甘みが強く、年中手に入るバナナを加えることで、プレーンヨーグルトが苦手な人でも食べやすくなる点がいい。1点差で2位となったキウイだが、その栄養価のバランスのよさから「最強」だという声が多い。
「緑のキウイは食物繊維が豊富。黄色のキウイはビタミンCが140mgほどと、果物の中でずば抜けています。『若返りビタミン』とも呼ばれるビタミンEの含有量も多く、血流を促進して冷え症改善、肌にツヤを与える効果もあります」(管理栄養士の中沢るみさん)
「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、ヨーグルトの整腸作用との相乗効果がバツグンだ。腸活コーディネーターの上山昌剛さんがすすめる。
「特に水溶性食物繊維が多く、腸内の余分な糖分や脂質を吸着し、排出してくれるため、ダイエット効果が期待できます。ビタミンEも含まれ、アンチエイジング食品としても優秀です」
冷えたヨーグルトを食べるとお腹を壊しやすいという人は、「温めたココア」をちょい足しするといい。管理栄養士の麻生れいみさんは、ホットココアにスプーン3杯のヨーグルトを混ぜて飲んでいる。
「冷たいヨーグルトは腸を冷やすので、ホットココアと一緒に飲んでいます。ヨーグルトは温めると乳酸菌の吸収が促進されるといわれており、ココアには免疫力を上げる亜鉛が豊富です」(麻生さん)
夜食べてカルシウム吸収率アップ
ヨーグルトは、目的によって食べる「タイミング」を変えるという摂取方法もある。発酵食のスペシャリスト・北村愛さんは、朝食時に、甘酒と合わせて食べると言う。
「甘酒と乳酸菌を組み合わせると栄養が体内に吸収されやすい。起床後1時間以内に食べると幸せホルモンのセロトニンが効果的に生成されるといわれています。私は鉄分が豊富な、くこの実も合わせて食べています」
骨折リスクが高まる50代以降は、夜食べるのがおすすめ。
「更年期以降はホルモンバランスの関係から骨粗しょう症になりやすい。時間栄養学的にカルシウムの吸収率がアップするのは夕方以降ですから、夕食のデザートにヨーグルトを食べるのがいいでしょう」(養腸家の真野わかさん)
食事の前に食べても構わない。管理栄養士の望月理恵子さんが解説する。
「食事前に食べる『ヨーグルトファースト』によって、その後の食事を摂取することによる急激な血糖値の上昇を抑えられ、肥満予防になります。ヨーグルトのたんぱく質は体温の上昇をサポートするので、体が冷えやすい人は朝食前に食べるとより効果的です」
たんぱく質は筋肉のもとにもなる。磯村さんは、トレーニング後に食べると言う。
「その際は、たんぱく質を効率よく摂りたいので、水切りヨーグルトにしています」