芸能

これぞスターな田村正和さん「必ず見出しになるような話をした」

aa

強烈な“スター”のオーラを放っていた田村正和さん

 俳優の田村正和さんが4月3日、心不全のため都内の病院で亡くなった。77才だった。昭和から平成にかけて、数々の名作ドラマに出演し、人気を博した田村さんとは、どんな人物だったのか。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、田村さんの功績を振り返ります。

 * * *

饒舌ではないけれど、必ず見出しになるようなお話をくれた

『女性セブン』が報じなかったら、田村正和さんが亡くなられたことを私たちはまだ知らずにいたのかもしれません。

 4月3日、心不全で「亡くなっていた」。生前、「カットアウトではなく、フェードアウトしたい」とおっしゃっていた田村さんらしい、静かなお別れとなりました。

 元祖・二世俳優であり、元祖・二枚目スター。「田村三兄弟」は、兄の高廣さん(享年77)、弟の亮サン(75才)、三者三様のスペシャルな魅力があり、女友達とキャーキャー言いながら、「私は、お兄さん」「私は、弟」などと“選ぶ楽しみ”を最初に満喫させていただいた存在でした。

 なかでも正和さんは、「正和さま」と“さまづけ”で呼ばれていて、自分の好みとは別の位置づけで、まさに“別格”だったのです。

 いわく、「七光り」による起用に直面し、銀幕よりもテレビを選び、時代劇から刑事ドラマ、業界ドラマ、ホームドラマまで、あらゆるジャンルの作品に精力的に出演し、高視聴率を記録してきた田村さん。

 私は1980年、新卒でTBSラジオの“954キャスタードライバー”というクルマに乗ってレポートをする仕事に就き、4年で退職。その後、フリーでリポーターをしていたこともあり、1980年代はもっとも頻繁に同局に出入りしていました。

 TBSはまだ旧社屋で、駐車場につながるテレビ玄関や、“3ロビ”と呼ばれる喫茶室で度々、田村さんをお見かけしたものです。

 ナマで会った芸能人・男性部門で、もっともオーラを感じ、この世のものではないというほどの強烈な印象を持ったのが田村さんでした(ちなみに女性部門は石川さゆりサン〈63才〉。特にメイクを落とした素顔の美しさと色気がハンパなかったです)。

 で、田村さんとは一度だけ言葉を交わしたことがあります。テレビ玄関の自動ドアのところで偶然一緒になり、小声で小さく手を出し、「お先にどうぞ」と促したところ、田村さんが独特のゆっくりした口調で「ありがとう」と言ってくださったのです。こちらの方こそ、ありがとうございます……という想いでいっぱいになり、同時にポーっとしてしまい、しばらく、その場から動けませんでした。それぐらいのオーラがあり、「これぞスターさん」の振る舞いでした。

 私のベストドラマは『パパはニュースキャスター』(1987年・TBS系)です。5月19日、『バイキングMORE』(フジテレビ系)で田村さんの訃報を取り上げた際、「おぎやはぎ」の小木博明サン(49才)と矢作兼サン(49才)も『パパは〜』のタイトルを挙げていて……。真向いの席で大きくうなずいてしまいました。

 業界ドラマとホームドラマを掛け合わせた作品で、田村さんと共にキャスター役だった浅野温子サン(60才)は翌年、あの『抱きしめたい!』(1988年・フジテレビ系)で一世を風靡。作品の多くが社会現象になった、古きよきドラマ時代でした。

 業界+家族モノは、後藤久美子サン(47才)、中山美穂サン(51才)、三田村邦彦サン(67才)の『ママはアイドル』(1987年・TBS系)へと続きます。昔話が止まりませんが(苦笑)、先日、某紙で「ホームドラマ ランキング」の審査員を務めたときにも、私は『パパはニュースキャスター』を上位に選んだものです。

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン