芸能

『愛の不時着』素朴なギモンを脱北民の目線で検証

盗聴器を見つけたら外せばいい?

 ドラマ内でジョンヒョクとユン・セリが泊まるホテルに盗聴器がたくさん仕込まれていたシーン。実際、平壌のホテルではあるらしい。

 ジョンヒョクはセリのために盗聴器を全部外す、かっこいい姿を見せた。しかし現実では、盗聴器を勝手に外した場合、大問題となり速攻捕まるらしい・・・・・・。なので、もしそんな機会があっても、盗聴器を探して外すなんてことはやめましょう!

「愛の不時着」展 

(c)CultureDepot.(c)STUDIO DRAGON CORP.共演からリアル熱愛となったふたり。ドラマでは北朝鮮での生活が丁寧に描かれる。

妻社会にもヒエラルキーがある?

『「愛の不時着」展』の会場では、ジョンヒョクの家のリビングのセットが再現されていて、北朝鮮でのリアルな生活の様子がわかる。ジョンヒョクの家があるのは、彼が所属する部隊の軍人とその家族が住む村だ。その村で一番権力があるのは部隊の頭である大佐、そしてその妻。

 ドラマで描かれている通り、大佐の妻の一言で部隊の人事が変わるのは珍しいことではないそうだ。そこで村の妻たちは、夫の出世のために大佐の妻に媚びを売りながら生活している。そんな姿と韓国の70年代を思い出させる村の奥さんたちのファッションは、北朝鮮の日常そのものだとセトミンたちは言う。

ユン・セリが隠れた「キムチウム」って?

 韓国で普通に生きていたらまず経験することないであろう「検閲」が、北朝鮮では日常だそうだ。ドラマの中で、セリと韓国から来た実業家・ク・スンジュン(キム・ジョンヒョン)が夜、歩いていて検閲されそうになったシーンがある。ク・スンジュンは北朝鮮語をわからないふりをして英語をしゃべって切り抜けていた。実際、平壌に住むエリートの若者も検閲されそうな時は、英語や中国語を使って外国人のふりをしてその場から逃れる経験を誰もがしているという。

 また、北朝鮮では、村の外から誰かが来る時は、事前に人民班長に申請をしなければならない。万が一、不意に検閲が行われたら、セリがジョンヒョクの家の庭にあるキムチウム(地下倉庫に見えた場所)に隠れたようにほんとうにするという。ここで、私がびっくりした点が一つある。「キムチウム」の存在だ。

 韓国でも冷蔵庫がなかった昔は、ハンアリと呼ばれる大きな壺にキムチを入れ土に埋めてキムチの味を保っていた。現代ではどの家庭でも、普通の冷蔵庫とキムチに適した温度を保ってくれる冷蔵庫を持っている。北朝鮮では、いまだに土の中でキムチを保管する文化が続いていて、保管する場所の名前まであるんだ、と。いずれにしてもキムチは、韓国の人にとっても北朝鮮の人にとっても大事な食品で文化でもあることがよくわかる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン