「チームとの交流はこれで終わるわけではない」
そこへ飛び込んできたのが野球と車いすバスケのオーストラリアチームの事前合宿の中止である。
府中市は2018年1月にオーストラリア野球連盟と、東京五輪の事前キャンプに関する覚書を締結。その直後、市内で初の事前キャンプを実施した。その際には、公開練習や市民との交流イベント、歓迎レセプションなどが行われ、多くの市民が参加した。2019年にもWBSC(世界野球ソフトボール連盟)プレミア12に向けて事前キャンプを行った。
こうして濃厚な関係が築き上げられていたのであるが、今回オーストラリア代表が東京五輪の最終予選(メキシコ)を辞退したため、五輪に出場できなくなり、事前キャンプが中止となってしまったのだ。車いすバスケの事前合宿中止は来日スケジュールの変更等が理由だ。
コロナ禍の影響は他のイベントにも影を落としている。昨年10月にオーストラリアへの青少年派遣事業が中止となったほか、今年1月に開催予定だったホストタウンWEEKイベントも中止になってしまった。
今回の事前合宿中止について府中市役所の担当者に話を聞いた。
「ホストタウンとして事前合宿などを通じて、相手国のことをより身近に感じられればと思っていたので、中止はやはり残念ですね。ただ、オーストラリアチームの事前合宿は中止になりましたが、チームとの交流はこれで終わるわけではありません。コロナが落ち着いた後も交流を考えていきたいと思います」
市民の間からは「ビックリした、残念だという反応が多い」(前出の担当者)という。
もっとも、オーストリアの卓球チームや日本の7人制ラグビー代表の事前合宿は今のところ予定通り実施の見込みだという。