騎手との相性は重要(阪神競馬場のパドック)
レイデオロは4歳時にドバイシーマCで4着の後はじっくり間を開けて9月のオールカマーで1着。しかし翌年はドバイシーマC(6着)からの帰国初戦が宝塚記念で5着に敗れている。
ダート馬でも4歳時にフェブラリーSを勝ったゴールドドリームがドバイワールドカップに出走(14着)、帰国初戦の帝王賞では7着だった。しかし翌年は、フェブラリーS2着のあと海外へは向かわず、船橋のかしわ記念(5月2日)、帝王賞と交流GⅠを連勝している。
航空機による遠距離輸送に加えて、現地は3月といえども平均気温30度近く。比較的過ごしやすい季節ともいわれるが、ふだんと異なる環境、これまで体験したことのない空気感が馬の心身に影響しないわけがない。
ここは素直に過去20年で8勝2着9回の天皇賞(春)から参戦のカレンブーケドールを軸にする。重賞は未勝利だがGⅠという舞台でコンスタントに力を発揮できるポテンシャルがある。前走も見せ場たっぷり。最後は距離の壁に泣いた格好だが、2200mは合いそうだ。
レイパパレの前走は展開が嵌ったともいえるが、初GⅠであれだけのメンバー相手に勝ち切るのは底力があってこそ。これにもちろんクロノジェネシスを加えた牝馬3頭の上位独占が最有力。
一角を崩すとしたら、天皇賞(春)4着のアリストテレスや大阪杯2着のモズベッロより、このレース連続2着のキセキ。福永騎手がクロノジェネシスの2週前追いに跨って、何かを掴んだかもしれない。妙味に欠けると言われればそれまでだが、今年の宝塚記念はこの6頭をどうやりくりするかだけではないか。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
