馴染みの問屋に弟子を紹介した優一氏

馴染みの問屋に弟子を紹介した優一氏

 すると西さんは、

「ゴシップを探しに来ている。。。そういう節もあると思います」

 と答えた。彼に、“嬉しい”答えを期待していたことにも後悔したし、この会話は忘れようと思った。そして、もう1杯、コーヒーを飲むことにした。

 実は、僕はこの数日前、西さんを浅草に誘った。浅草の言問橋の近辺は、靴観覧の問屋が多く並ぶ。その中で、僕が常にお世話になっている、革問屋と道具材料問屋に連れて行った。というのも、僕は材料も道具も、必ず自分で買ったものを使うべきだと考えている。僕がイタリアで修行している時も、そうだった。

 もちろん貸し出せるものはあるのだが、大抵の場合、人の道具には思い入れがないので、雑に扱う。そして、“思い入れがない”ものに触れる時間は、必然的に少なくなってしまう。材料も同じだ。自分でお金を出したものであれば失敗したくないし、無駄にしてしまうと、“もったいない”という感情が生まれる。それが、他人の材料を使っていると、あまり感じにくくなる。

 そんな理由で、西さんにも、最低限の自分の道具、材料を買って欲しかった。いつも取引をする問屋の方々を紹介してしまうと、いつか迷惑な取材に行ってしまうのではないか、という不安はあったものの、浅草にいる西さんは、初めての経験に戸惑いながらも、ワクワクしているようにも見えた。

週刊誌記者は自分を磨く「新たなヤスリ」

 革を買って、帰る時。革問屋の1人が、

「優ちゃんの、変な記事書かないでくださいね!」

 と西さんに声をかけた。仲間の温かさを感じていると、

「ああ、いえ。起きたことをそのまま書いているだけですので。ただ、芸能人と一般人の架け橋になっているだけです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン