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1999年に女性セブンが撮影したオダギリジョー。この1年後に『仮面ライダークウガ』に出演する

『クウガ』は「平成仮面ライダー」第1弾として制作されたかなり実験的な作品。それまでの仮面ライダーを演じる俳優は、彫りが深く、エチゾチックな顔立ちでがっちり体形が中心だったが、『クウガ』では、スタイリッシュでシャープな風貌のオダギリジョー(当時23才)を起用。職業は冒険家で、変身すると警察と協力して事件を解決するなど、サスペンス要素も加え、本格的な刑事ドラマのような作りにした。

「主人公や彼を取り巻く人たちがさまざまな葛藤を抱き、苦悩しながらも変化していく、そんな人間臭さを丁寧に描写するために脚本づくりにもかなり時間をかけていました」

 子供にはやや難解ではあったものの、大人から高評価を得て、20~30代のファンが急増。日曜朝8時スタートの番組でありながら、9%台の平均視聴率をマークした。

 そして、オダギリがこの作品をきっかけにブレークしたことから、仮面ライダーの快進撃が始まる。

 2001年、仮面ライダー生誕30年には、平成作品第2弾の『仮面ライダーアギト』がスタートし、さらにヒーロー像が一新。平均視聴率11.7%の高視聴率を獲得する。

「主人公の津上翔一は、記憶喪失という悲しい境遇を持ちながら、いつも前向きで明るく家庭菜園をこよなく愛する天然キャラでした。演じた賀集利樹さん(42才)のソフトな甘いマスクと親しみやすさも手伝って子供たちにも、親世代にも人気がありました」

 また、この作品から複数ライダー制を起用。賀集演じるアギトに加え、“G3”に変身する氷川誠を要潤(40才)が、“ギルス”に変身する葦原涼を友井雄亮(41才)が演じた。

 東映プロデューサーで2001年『仮面ライダーアギト』から制作に関わっている武部直美さんは振り返る。

「3人ともオーディション経験もほとんどなく、もちろん演技も未経験でした。ただ、賀集さんが持つ、子犬のような愛らしさと、要さんのクールな雰囲気など、それぞれが役柄にぴったりでした。

 オーディション時は、3人とも素直な“とってもいい子”という印象でした。これが、女性ファンの心を掴んだのかもしれません」(武部さん)

 それぞれが持つ個性が光り、『アギト』の人気はうなぎのぼり。この作品から、仮面ライダーを演じる俳優たちの、握手会などのイベントも精力的に行われるようになっていく。

取材・文/廉屋友美乃 取材協力/前川亜紀

※女性セブン2021年7月29日・8月5日号

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